――近年、食品の取り扱いに力を入れているドラッグストアも増えていますが、そのことについてはどのようにお考えですか？

　大賀研一社長（以下、大賀）　大賀薬局でも一部店舗で取り扱っていますが、食品の取り扱いを今後強化するといったことは考えていません。それよりも、ビューティー＆ヘルスという専門的な分野を突き詰めていくことが大賀薬局の最重要課題です。そのような意味では、食品の取り扱いを常に研究しているファミリーマートさんと一体型店を出店できたことは、 大賀薬局にとって新たな可能性となることは間違いありません。

　ファミリーマートさんが持っている機能と大賀薬局が持っている機能を融合することで、より多くの機能を持つ店舗となりました。機能は増えましたが、仕事は何も変わりません。各々が得意な専門性を発揮する、ただそれだけです。お客様としては、処方箋を提出してから薬を受け取るまでの待ち時間をこれまで以上に有意義に過ごすことができます。売上げは、第１号店である店屋町店は４倍、６月12日にオープンした２号店野芥店では2.5倍と、大きな伸びを見せています。地域の方々に認めていただくことができれば、３倍も決して無理な数字ではありません。大賀薬局とファミリーマートの一体型店は、様々な地域で増やしていくつもりです。来年いっぱいで、福岡市とその近郊であと５店舗を考えています。

　また、９月にオペレッタというビューティー専門のお店を新規で２店舗出店する予定です。オペレッタとは小歌劇のこと。「美を気軽に楽しんでほしい、共に歌いましょう」といった「気軽さ・美しさ・喜び」が同居する言葉として店名に用いました。オペレッタを訪れるお客様には、気軽にご相談していただき、美しさに磨きをかけて、笑顔になっていただきたいと思っています。

　――美を気軽に楽しむことが困難な方のために、行なっていることがあるとうかがいました。

　大賀　公民館などでご高齢の女性向けにメイクアップの実習を行ないました。入院などで長い間お化粧をできずにいた患者さまにお化粧をして差し上げたこともあります。どちらも大好評でした。いくつになっても美しくありたいという気持ちはみんな同じです。まずは、鏡を通して自分と向き合うこと。鏡を見て美しくありたいと思い、実際に美しくなる・・・女性としての喜びを実感することは、健康にもつながります。もちろん男性にも美しくあってほしいと思っていますが、とくに女性にはいくつになっても美を求めていただきたいですね。我々も美を追求し続けます。ビューティーはとくに流行の変化が激しい分野なので、流行を追うのではなく、流行をリードし、お客様にいち早く提案できる存在でありたいですね。

　――変化といえば、消費税が４月から８％となりましたが、その影響はいかがですか？

　大賀　３月の売上げはたしかに伸びました。しかし、駆け込み需要と言うような大げさなものではなく、あくまでお客様には計画購買をしていただいたという認識です。とくに化粧品は前年対比で約170％と好調でしたが、ほとんどの商品を切らすことなく常にお客様に提供できる状態を維持することができました。新規出店も好調だったことも手伝って今期の売上げは約200億を見込んでいます。

　――消費税だけではなく、業界や商環境そのものがめまぐるしく変化しています。今後についてお聞かせください。

　大賀　困難を乗り越えるために変化は必要です。しかし、起業精神や企業理念のような変えてはならないものと、変わっていかなければならないものがあります。守るべきものは守り抜き、変化を求められるときには時代に先駆けて変わっていきたいですね。

　今度の９月には、高齢者の方にお弁当をお届けするサービスを開始します。ある程度満たされている地域を更に満たそうとすると競争になりますから、地域のお役に立つためには、同じような業態がない場所で展開していかなければなりません。ドラッグストアの業態では、調剤機能を併せ持った店舗を増やし強化を図ります。

　お客様や取引先から教わることもまだまだたくさんあります。これからも「お客様満足」にこだわり、地域の相談薬局として地域のお役に立ち、貢献できる、お客様の「マイ・ファーマシー」を目指していきたいと思います。

（了）

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＜COMPANY　INFORMATION＞
■（株）大賀薬局
代表者：大賀　研一
設　立：1949年11月
資本金：5000万円
所在地：福岡市博多区博多駅前3-9-1
売上高：（13/9）185億2000万円
ＴＥＬ：092-483-8777
ＦＡＸ：092-483-8770
ＵＲＬ：http://www.ohga-ph.com/

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