前回触れた北九州の住宅展示場は、来場者も少なく、同様のケースの大手で占められた展示場も閑散としているところがある。一方で、30近い区画のうち中央大手の出展が半数の展示場は、地場のホームビルダーとハウスメーカーが混在し、イベントが開かれていなくても来場者は多い。
この通りは、展示場に出展していない住宅会社も車で5分程度の近距離に5~6社展示場を構えるなど、住宅を探している人たちにとっては、短時間で色々な住宅を比較できるスポットのため、土日にもなると人気のモデル住宅には4~5組も入り、活況を呈している。
しかし、ここでも昔と違って異変が起きている。大手ハウスメーカーの来場者が少ないのだ。
これまでは大手ハウスメーカーの集客力が高く、住宅展示場の集客力を左右するほどだったが、最近では住宅にこだわっている企業が増え、地元企業のほうが集客力が高くなっているようだ。ある来場者は「大手の住宅は一度見るとそう大差がありませんが、地元の住宅会社はそれぞれが特長を持っているので、比較する上で参考になります。価格も大手より安いところが多いですからね」と語る。大手の求心力が低下しているのは間違いないようだ。
【石崎】