先日福岡南部の住宅展示場に行ってきた。ここで信じられないことを体験した。大手ハウスメーカーの展示場だが、非常に豪華なつくりで、規模も大きかったが立派な住宅だった。玄関からリビングまで吹き抜けで、リビングを見下ろすような廊下など贅沢なつくりだった。好奇心から、「この家と同じようなものを造れますか」と聞いてみると、返ってきた答えは「造ることはできますが、高いので無理でしょう。この家だったら1億円ぐらいになりますよ」という返事だ。これを聞いて唖然とした。会社にとっては夢を売るために「こんな豪華な家も建てれますよ」ということだろうが、現実離れしすぎる。しかも、1カ月のランニングコストが「4~50万円かかることもありますよ」という返事だ。そんな家を誰が買うのかといいたい。
それでは、実際にはどんな家が売れているかというと「建物だと、2~3,000万円ぐらいでしょうか」という。展示場の豪華な住宅からどんどんグレードを落としていくことになる。それでは、折角建てた家も、出来上がると現実とのギャップでがっかり来ることになりかねない。その点、地元住宅会社の展示場は「この家だとちょっと高めですが、2,500万円でできますよ」と実際に建てる家と遜色ないものを出しているところが多い。こうしたことも、展示場内で大手に比べて地場工務店のほうが来場者が多い要因のひとつになっているのではないだろうか。住宅展示場も、大手におんぶに抱っこの時代は終わったので、もっと門戸を広げて色んな住宅会社を入れるほうが、魅力ある展示場につながり、集客力も上ると思うのだが。
【石崎】