一生に一度の買い物といってもよい「住宅」だが、安易に契約するケースをよく耳にする。「気に入ったから」「営業がよくしてくれたから」などなど。
しかし、ちょっと待ってください。ウン千万円も出して購入し、その後30年近くもローンを払い続けるのに、そんなに簡単に決めてしまってもよいものでしょうか。
「約束と違う」「打合せと違う」「仕様が違う」こんな話しはまだよいほうです。最悪のケースは「追加工事で予算オーバー」「倒産してしまって...」なんていうケースもあるのです。
それでは、どうしたらこうした問題を防げるでしょうか。設計図や見積書は当然ながらも、事前の打合せは念には念を入れても良い。納得がいくまでは何度でも打合せは重ねるべきですし、変更したなら変更に伴う書類の提出や、見積もりの再提出をしてもらうべきです。そうしないと、後から「これは追加になります」「そういった話は聞いていません」などといって現場でトラブルケースもある。
全ての住宅会社がこうしたことをしているわけではなく、現場での変更が入りながら、見積もりの再提出もなく、不安を持っていたら、予算内に納めてくれた。といった話しも聞くが、トラブルになるケースの大半は書類や見積もりがないケースがほとんどだからだ。
安易に納得したり、口約束で済ますのでなく、必ず書類を揃える。これが、トラブル予防の第一歩だ。レストランで注文と違った品が届くと誰でも怒る。レジで金額が違うと伝票と確認したりする。それが、金額が1万倍以上もする住宅では、見積もりや設計図などをなくても、なんとも思わない。これではトラブルを招いているようなものだ。人それぞれで認識は違うのだから。「設計図や見積書を見ても、専門用語なので分からないから」というのなら、分かるまで説明を受ければよい。恥ずかしいことでもなんでもない。初めて家を建てるのだから専門用語を知らなくて当たり前なのだ。工務店や住宅会社は何十、何百も家を建てているプロなのだから、知っていて当たり前、初めての人が全て知っている方がおかしい。だから、何度でも納得がいくまで説明を受け、書類を交わすことである。
【石崎】