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地場ホームビルダーも長期耐久性能住宅へ本腰、木材・建材流通業が部材提供へ

2010年4月26日 11:55

 大手住宅メーカーがいち早く取り組み商品化を進めている『長期耐久性能住宅』に対して、地場密着型ホームビルダーはこれといった特性を出せず出遅れ感があった。しかし、ここにきて品質を補完する製品が出始めた。


 九州各県に物流ネットワークを持つ『(株)キューハウ(本社:福岡市東区箱崎ふ頭)』は、防虫防蟻処理薬品のトップメーカーである越井木材工業㈱(本社:大阪市住之江区平林北)の関連会社である(株)コシイプレザービング製の『ハウスガードシステム・緑の柱』の取り扱いを開始した。
 国産杉材の柱に、薬剤『マイトレックACQ』を強制的に加圧注入することによって、木材の繊維細胞に含まれていた水分を除去し、グリーン材が経年変化で割れたり、曲がったりする欠陥を防ぐ(寸法安定精度)。防虫防蟻処理効果も長期間にわたり維持できる。同社では10年後に再施工すれば物件引渡し後20年間に渡り品質保証できる「ハウスガードシステム」を採用している。グリーン材への加圧注入であるのでビルダーにとってコスト面でもメリットが大きい。


 一方、キューハウに対抗して木材プレカット加工大手の『(株)市岡(本社:福岡市東区箱崎ふ頭)』や『黒田木材商事(株)(本社:福岡県糟屋郡須恵町)』は、越井木材工業(株)本体がKD材や集成材に加圧注入した『赤い柱』を採用している。グリーン材よりも更に含水率が低く、寸法安定性に優れている点を強調している。

 また黒田木材商事㈱は熊本県球磨郡多良木町の『多良木町森林組合(味岡組合長)』と提携し、「燻煙木材」の取り扱いも開始した。燻煙木材も寸法安定性に優れ、白蟻や木材腐朽菌の害に強く住宅の長期耐久性能に優れている。同組合の製品は既に『未来工房』で全面採用されている。


 また、同じく「燻煙木材」でも鹿児島市の『ドリーミィ大和』の製品は、太宰府市の九州国立博物館や鹿児島県立博物館でも採用されているほか、糸島市の『(株)へいせい』や古賀市の『(株)長崎材木店』でも採用するといった状況。住宅の長期耐久性能が関心を集めるようになって燻製木材が注目を浴びてきている。
 新設住宅着工戸数が一挙に年間80万戸を割り込むような時代が到来し、これまでと同じような手法では生き残っていけないのは自明の理。各住宅メーカーも必死で差別化の途を探っている。

【徳島】


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