近年の注文・戸建住宅は新建材の出現により3~5年サイクルで新しいデザインの建物が次々と現れる。自動車生産のサイクルと似通った感があり、5~6年経過すると味わいが薄れ陳腐な存在となってしまうことを耳にする。また、古民家の真横に真新しいデザインの住宅が建つという街並みのアンバランスさも目立つ。景観としてあまり美しいとは言い難い。
国土交通省が推進する100年・200年の長期優良住宅。この長期優良住宅の観点から、ログハウスはその条件にピッタリである。
ログハウスは、素材上、手入れを定期的にマメにすることが必須であるが、手入れを入念に行なえば100年以上何世代も先まで耐久する事が可能である。スクラップアンドビルドから今住宅における国策としてストック型社会の構築を提唱しており、良質な社会資産として長期にわたって有効に活用されることが求められているのである。
大量生産型の住宅供給から、ストック型への変革により『良いものを長く大切に使う』理念のもと我が国の住宅環境を変えるチャンスが、ログハウスの普及においてもあるのではないだろうか。
良いものを長くそして永代に渡って受け継がれる住宅建築。今見直されつつあるストック型住宅社会普及にログハウス建築の促進も貢献するであろう。
【河原 清明】