塩の新たな表示ルールに生き残りを賭ける
<品質勝負元年のスタート>
弊社は「自然海」の登録商標を持っているのですが、公正競争規約の完全施行によって今後は「自然海」の表記が使えなくなります。公正マーク(写真)も表示する必要がありますので、一部の商品については1月出荷分からすでにパッケージを改めました。包材の変更だけで約500万円を要しました。
「海を捉えて自然海塩を名乗るのか、塩を捉えて名乗るのか」それだけで受け取り方は違うのにと、2年前は正直悩みました。しかし、誤解を生じると消費者に迷惑をかけることになりますので、業界全体の振興を考えれば、この点はやむをえないことだと思います。
ミネラルの含有量が豊富であるとの表示も禁止されるため、一部マスコミなどで脚光を浴びてきたキワモノ的な塩なども、今後は中味での勝負を迫られることでしょう。そういう意味では、このような取り組みは消費者本位のあり方として喜ばしいことですから、今後ますます普及することで健全な業界として成長することを念願しています。弊社の商品におきましても、品質勝負に賭けようと思っております。
漬物や味噌を例に挙げましょうか。にがりが程よく残った塩のほうが食材の浸透圧をより高めることができ、新鮮なうちに食材の水分を抜くことができるため、新鮮さを長く保つことができます。添加物を使わなくても保存性が高まるわけです。この場合、決め手となるのはにがり成分であるミネラルやマグネシウムです。一部の塩メーカーではこれまで、強調表示で消費者の関心を惹くことで競争力を高めていたのが、今後は、農家の人が「これでなくちゃダメだ」、消費者が「これだ!」と舌で裏付ける時代が到来することでしょう。
【文・構成:田代 宏】
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