日本伝承医学の復活を目指す
<出合った病気に学ぶべし>
だからこそ私は、それを元に戻そうという運動をしています。それに、私は健康指導を基にして長年やってきたわけですが、日本伝承医学の再興というのをやって、そもそも病気そのものがどのようなメカニズムで発生し、どうすれば治るのかということについて、すでに答えは存在します。これが伝承医学なのです。これこそ、病気の発生と治癒のメカニズムです。どういう治療をやるのかということも、ちゃんと答えは出ているのです。
大切なことは自分の作った病気は自分で治すという心構えです。
治療理論は16種類に大別されます。「日本伝承医学16治療論各論」というもので整えています。その16治療の治療理論を駆使すれば、どのような病気でも治すことができる。
そもそも病気の本質は不自然なのです。不自然な病気は自然に戻す。すなわち健康というのは自然ということですから、自然・不自然を大きなテーマとして、不自然な病気を治すために16種類の治療理論が存在するのです。自然のなかに病なし。つまり日本伝承医学とは、不自然な状態を自然にな状態に戻すだけのことなのです。努力は、闇雲に行なっても結果は出ません。正しい努力だけが、正しい結果を生むのです。「何でもやってみなければわからない」という論法は、わからない人がいうことであって、私たちにいわせれば、やる前から結果が見える。初めと終わりは同じ場所に存在しているということです。大切なのは、それが見えるか見えないかだけ。人にはそれぞれあるでしょう、やっても後悔する一方で、やらずにおいても後悔する。ただ単に後悔することは必要ではなく、糧にすることが必要なのです。
病気に出合って病気から学ばなかったら、病気になった意味がない。つまり病気になったら、自分のステップを上げるのです。次元を上げなければならないのです。痛い痛いといいながら、「痛みが止まったから治った」と勘違いしているのです。痛みには痛みが出るそれなりの背景というものがあるのですから。それは環境のなかに原因があるのであって、そういう私たちの日常の生活習慣のなかで、ものの考え方から見方までステップアップすることで、病気から無縁のものになることができるのです。抑えるだけなら再発して当たり前です。なぜなら、発症の源はまだ依然としてそこにあるわけで、時間の経過とともにまた発生するのです。
不自然を自然に戻す、それがSFCの使命だと信じてこれからも活動を続けていきたいと思っています。
【聞き手、文・構成:田代 宏】