アンチエイジングをコンセプトに高齢層にアピール
林兼産業(株)(山口県下関市、電話:083-266-1191)は弾性繊維を豊富に含むカツオ動脈球を原料にした海洋性エラスチンペプチド『カツオエラスチン』を扱っている。エラスチンとは、皮膚の真皮やじん帯、腱、血管壁など伸縮性の必要なからだの器官にひろく含まれている構成成分で、コラーゲン同様に細胞外で働く繊維状のたんぱく質で弾性がある。組織に柔軟性を与える成分とされ、美容業界などで注目されてきた。さらに食経験のある原料として安全性にも定評がある。また同社は、高齢者用ソフト食『ソフミート』も開発しており、2月9日~10日まで東京ビッグサイトで開催されている医療・介護の「メディケア・フーズ展」(UBMメディア主催)にも出展している。同社機能性食品部長の清木雅雄部長に話を聞いた。
<アンチエイジング素材『エラスチン』>
今後、団塊の世代が大量に60代を迎えるにあたって、アンチエイジングというコンセプトから健康食品はかならず大きなひろがりをみせるでしょう。かくいう私がその世代の一人なのですから。
『エラスチン』という成分については、かつては牛由来の成分が一般的だったのですが、2000年代の初頭に発生したBSE(牛海綿状脳症)問題を発端に、畜産物が敬遠されるに至って、創業からこれまで魚肉たんぱく資源を扱ってきた弊社の強みを活かし、海洋性エラスチンの開発に至りました。大きな特長としては、カツオ動脈球を使用していることです。動脈球は、カツオの産地では昔から郷土料理として盛んに食べられています。食経験豊富な安全・安心な食材として知られています。
また、抽出した淡黄色粉末は水溶性で、pHおよび熱安定性も高いので加工もしやすいのです。酵素処理により約80%が1,000以下画分の低分子ペプチドで吸収性に優れています。さらに特異的なアミノ酸「デスモシン・イソデスモシン」を含んでいます。魚類エラスチンのアミノ酸組成の特徴を持っており魚由来のコラーゲンとは区別ができます。
3年前の機能性食品部発足以来、安心感のある素材として美容ドリンクや化粧品素材として多くの引き合いを受けています。
【文・構成:田代 宏】
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