那覇市では、国際通りのど真ん中の路地裏に位置する炭火居酒屋『牧志食堂』(沖縄県那覇市)が今、しずかなブームを呼んでいる。沖縄三越とプランタビルの間の路地を50メートル余り入り、さらに左に折れるとパチンコ屋の向かい側に本州では見慣れた「やきとり」と墨書した赤ちょうちんが下がっている。
手動扉をひらくと8坪ほどの店内には7席のカウンターと4人がけのテーブルが2卓。くつろぎ感たっぷりの落ち着いた暗めの明かりのなかに漂うように流れるのは基地の街らしいジャズ音楽(客の好みで演歌やクラシックも選べる)。カウンターの前には大水槽の中で泡をたてながら海ブドウが躍るように回っている。
居酒屋に衣替えして3年という同食堂では、やや小太りの「大将」が自らの手で少しずつ内装に工夫をこらしてきた。昨年はレーザーカラオケも導入し、3年前にはいかにも焼き鳥屋然としていた店内も今では雰囲気たっぷりのダイニングキッチンばりに装いを新たにしている。
「毎日、何か少しでも変えると元気が出る」と前向きな発言をする大将の大城泰則さん。
それでも焼き鳥を焼く姿が似合っている大城さんだが、2年前に一緒になった中国人の若妻と仲むつまじく餃子を焼く機会が増えたようだ。一皿6個入りの水餃子は中国仕込みの本場の味。独自に配合した辛味をくわえた薬味が人気。沖縄の代表的な豚料理「らふてー」も中華風らふてーに人気が集まる。まさに大陸と沖縄のチャンプルー食堂だ。
「うまい!」と舌鼓を打つ観光客の声が背後でする。地元の客と観光客、新婚旅行客など、さまざまな客層が話を交える姿をよく見かける。大学生活を「本土」で送った地元の労働者と新婚旅行客が楽しげに話す姿は「牧志食堂」ならではの光景。
ちなみに同店おすすめの『沖縄味わいセット』は、歯ごたえソフトな「新鮮海ぶどう」、新鮮な「県産太もずく酢のもの」、ゴーヤーほか自由に選べる「チャンプルー」、沖縄ならではの「みみがー(豚耳皮酢味噌和え)」、プリン風のデザート「スクガラス豆腐」に、ビールか泡盛かソフトドリンク一杯がついて1,600円。
型にはまった沖縄観光に飽きた人、なんとなく観光客でにぎわう料理店に入りずらい出張中のビジネスマン・ウーマンにおすすめの店だ。
住所:沖縄県那覇市牧志2-1-13
電話:098-862-0125(営業時間18:00から)
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