18日、消費者庁は「第7回健康食品の表示に関する検討会」を開催した。同検討会における2回目の論点整理に向けた意見交換が行なわれた。
検討会では佐々木委員から、特定保健用食品(以下、特保)などの開発の際に実施を義務付けられている「無作為割付比較試験」(RCT)の解説が行われたあと、議事に入った。
佐々木委員は同試験においても、100%の有効性は保証できないことを強調した。
議事では、前回の検討会で各委員から提出されていた特保の審査過程に関する説明が消費者庁から行なわれたあと、市場に出回っている健康食品における虚偽・誇大広告の事例が消費者を代表するとされる委員らから報告された。現実に新聞や折り込みチラシ、テレビCM、インターネットなどに氾濫している薬事法に抵触するとみなされる実例が数多く持ち出された。
消費者の代表を自任する委員からの猛烈な健康食品たたきに対し、業界を代表するといわれている財団法人の理事長を務める林委員は、「報告された事例のなかには、特保や品質規格規準などをクリアした商品はほとんどない」と、辛うじて批判の矛先をかわした。
詳細は後日改めて吟味した後に報告するが、全体的に消費者を代表するとされる委員らの攻勢に対して、十分な対案を示すことのない業界の代表とみなされている委員らの意見が発展的にかみ合っているとは思われなかった。
消費者サイドの委員からは、「メーカーはなぜすべての商品を特保として申請しないのか」などと、予習不足を指摘されかねない質問すらあった。少なくともすでに6回を経た検討会で出すべき質問ではなかろう。ところが、委員を刺激するのを気遣っているのか、業界サイドは回答の歯切れの悪さが目立った。
田中座長も、時々業界側に「特保以下の商品を国が保証できますか?どうですか」などと顔を赤らめて詰め寄る場面も見られたため、委員が萎縮しているかとも思われた。
このようななかで救いとなったのは、宗林委員など一部消費者サイドの委員からも「消費者も効果効能をかなり期待している。(早く)仕組みづくりのための議論に入ってほしい」と、消費者目線に立った現実的な制度設計を望む声が上がったことだろう。
消費者団体への教育期間は今回で終了とし、早く制度設計のためのテーマを決めるべきである。また業界サイドも所属団体の利益を超えて、今まで以上の結束を図って知恵を絞る時にきた。
次回開催は4月14日、消費者庁から三田共用会議所に場所を移して検討が続けられる。
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