＜リラックスムードいっぱいの朝礼＞

　圧巻はなんといっても朝礼だ。朝礼では入社間もない社員や知的障害のある社員ともども、川畑社長も社員の輪のなかに溶け込んでいる。手話を交えた朝礼を終えると、全員参加のワッショイ体操が始まる。ある程度の年齢の方であれば、子どもの頃に校庭で行なった「天突き体操」を思い出すかもしれない。膝の屈伸に合わせて両手で天を突く動作を繰り返す。来客や見学者があれば、その名前を織り交ぜ「ワッショイ、ワッショイ、○○さんメンソーレ！」と歓迎の大合唱だ。
　続いて２人１組になって柔軟体操、肩揉み体操と続く。数珠つながりに並んで、後ろの人が前の人の肩を揉む。揉む人も揉まれる人。全員に意思の疎通が行き渡るような不思議な一体感を覚える。最後はハッピー体操で締めくくる。２人が向き合って立ち、３回手を叩いて「ハッピー」と笑顔を交し合う。なんとも照れ臭い所作だが、不思議にもここまでくると照れ臭いという意識もほとんどない。テンションは最高潮で、すでに心は開かれているのだ。
　体操が終わると、売上報告に続き、顧客の喜びの声などをオペレーターが各自報告する。注文はそのほとんどが電話によるものだという同社。いかにも顧客の肉声を間近に聞くような報告がつづく。
　また「私からのありがとう」では、最近自分が感動した出来事を発表して、みんなに感謝の言葉を述べる。ときに涙で声を詰まらせることも――。
　その後「職場の教養」の唱和、企業理念の唱和などを終え、めいめいが自分の職務に帰っていく。この間、約１～2時間。月曜日は支所からの参加者も含めて100人を超え、寸劇なども披露されるため正午まで続くこともあるという。
　「弊社では３つの自立人をめざしています」という川畑社長。第一に知恵を仕事に活かす「情報の自立人」、次にプロとして働き納税の義務を果す「職業の自立人」、３つ目が人格陶冶をめざす「人格の自立人」――ユニークな挑戦はなお続く。

＜自発性重視のボランティア活動＞

　社員の自発性を重んじる経営は、モノレール高架下の清掃や各種ボランティアなどの社員の社会貢献意識を育み、NPO法人テレ・ルネッサンス（京都市）によるウガンダ支援などにも全社を挙げて協力している。川畑社長自身、アフリカの子どもの名付け親にもなっている。

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