4)表示を3つのカテゴリーに分けてみる
健康によい根拠としては、特定の素材・成分を「多く」「使用」しているか、「少なく」もしくは「不使用」にした商品が一般的です。例えば膝によいグルコサミン配合、抗酸化作用で知られるコエンザイムQ10配合であるとか、または塩分控えめ、糖類不使用などといった特定の栄養や成分を強調した商品などがそうです。一般的に、【A】「健康食品・サプリメント・機能性食品(supplement,functional food)」と呼ばれるものです。
同じように、使用・不使用という切り口ながら、別の特徴を訴えるものもあります。「国産原料使用」「有機・特別栽培原料のみで作られた」「化学調味料不使用」「着色料無添加」などといったように、直接的な健康機能ではなくても、体や健康への安心感という面を訴求した商品などがそうです。一般的に、【B】「自然・有機食品(natural/organic food)」と呼ばれるものです。
その他のタイプとしては、製造・加工技術の特殊性、商品形状や使用方法の特殊性が根拠になっているものもあります。例えば従来よりも数十倍の濃縮技術を用いるなどして、1粒で摂取できる成分量を増加させたものであるとか、新しい製法で体への吸収率を大幅に高めたものなどがそうです。いずれにしても、商品の持つ健康機能に対して何らかのいい影響がありそうだと考えられるものですが、ここでは便宜上【C】「技術をPRしている食品」と呼んでおきましょう。
さて、「多い、少ない、使用、不使用」と表示するには基準があります。【A】「健康食品・サプリメント・機能性食品」であれば、栄養成分を訴求しているはずですので、栄養表示基準というものを確認することができます。インターネットで、「栄養 強調表示 基準」と検索すれば、栄養成分別に「多い、少ない、使用、不使用」とPRできる基準の一覧表を見つけることができるかと思います(厚生労働省や各都道府県のHP等)。
といっても全部は覚え切れません(日常で仕事としている私も覚えていません・・・)。ナトリウム(いわゆる塩分)や、脂質(いわゆる脂肪分)など、気になる項目だけを覚えるだけで十分でしょう。そして確認したときに「低カロリー!」や「塩分控えめ」の基準と違うかも? と感じた場合は、何かほかに理由があるかもしれませんので、メーカーに問い合わせてみることをおすすめします(対象、対象外の成分などいろいろな規則があります)。
(つづく)
<プロフィール>
川合裕之(かわい ひろゆき)
香川大学卒業後、明星食品(株)に就職。営業職のかたわら、エリア向け商品の開発にも携わる。独立後、03年に(株)ラベルバンクを設立。食品表示の視点から安全性・機能性に関するコンサルティングを行なう。商品販売のためのプロモーションも手がける。
▼関連リンク
(株)ラベルバンク