21日、経済産業省(以下、経産省)は「リーマンショック以降の日本の消費者の実像」として2009年12月から10年2月まで行なった消費者購買動向調査の結果を公表した。そのなかで、販売者側が抱いているイメージとの相違が、いくつか浮かび上がっている。以下、順を追って解説していく。
1.購買力がある女性の高年齢層は「信頼」「安全」「安心」を重視
「こだわりのポイントは?」という問いに対し、日本の消費者は「信頼・安心」を最優先事項とし、「価格」「高機能」といった要素よりも重視している結果が出た。回答の内訳は上位から順に「信頼できる」60.4%、「安心できる」53.6%、「低価格」53.5%、「安全な」50.2%、「日本製」40.8%、「長く愛せる」40.7%、「高機能」38.1%と続いている。経産省では、「信頼・安心を甘くして、低価格化に走っても、企業存続は不可能との結果」としている。
同調査結果を、年代、性別で見てみると、「信頼できる」「安心できる」「安全な」については、20代から60代までの世代で男性よりも女性が重視しているとの結果であった。なお、「低価格」については、女性20代67.6%、同30代60.1%に対し、同40代49.0%、同50代39.2%、同60代43.1%と、世代で認識に差があることが分かる。
主婦世代として購買決定力、購買力がある女性の高年齢層は、信頼、安心、安全などの非価格要素へのこだわりが強いということが見て取れる。
(つづく)
※なお、本調査について経産省は「2009年12月18日から同月20日まで、電子メールによるアンケート調査を約100万人分の消費者に対して発送し、3,000人分のサンプルを収集した」としている。また、補完調査として、消費者グループインタビューを10年2月実施、企業アンケート調査を同年1月から2月まで実施したとしている。