データ・マックスでは先ごろ、厚労省が推進する統合医療プロジェクトの見通しについて、民主党で副幹事長を務める山根隆治参議院議員に直撃インタビューした。
そのなかで同議員は、「(プロジェクトの進捗如何は)日本医師会の会長選挙をどう見るかにかかっている」とした上で、参議院選挙をはじめとした今後の動きしだいではプロジェクトに対して「桁違いの予算が動く可能性がある」との見通しを明らかにした。
また、プロジェクトにおける健康食品の取り扱いの可能性について質したところ、あくまでエビデンスの積み上げが必要と断った上で、「エビデンスを積み上げれば、それが健康食品を利用する根拠となる。(そのときに)薬事法の改正は必要」との見方を示した。
現行の薬事法では、第2条に「日本薬局方に収められている物、あるいは人や動物の疾病の診断、治療、または予防に使用される目的に関するもの、あるいは人や動物の身体の構造、機能に影響を及ぼすようなもの」と医薬品の定義が示されている。この条文にはカッコつきで但し書きがあり、「(医薬部外品と化粧品は除く)」とある。
厚生省(当時)が1971年(昭和46年)に出した通知以前は、ここに「(食品は除く)」との但し書きが記されていたとされる。現在、この条件書きがないために、「便秘を解消」などの身体の機能に影響をおよぼす食品は、「ニセ薬」とみなされ排除されてしまう(一定の効能効果が認められている特定保健用食品は除く)。
どういう理由で削除されたのか詳しい経緯はわからないが、法改正によって「食品を除く」の但し書きを復活させることで、いったん健康食品が医薬品の定義を外れることになるため、無承認無許可医薬品としての健食排除の動きに一定の歯止めがかかると同時に、健康食品の位置づけを明確にするための新法制定のきっかけになるとされている。
健康食品独自の法制化の是非についても、「健康食品は2兆円という大きな産業。それなりの対応を考える必要がある」と法制化の必要性もほのめかした。
4月1日の日本医師会会長選挙では、民主党寄りとされる原中勝征氏が新会長に就任している。
詳しくは4月16日発行の「IB春季特集号」で報じている。