<通販は小売だ>
相変わらず通信販売(通販)参入者は後を絶たない。なぜなのか?
まず、少予算で参入でき、スタッフも少人数で可能であり、許認可もほとんどなくスタートできるという点だろう。そのうえ、経験年数も短く、手軽にできそうに見える。
専門性の高い業務は外注(アウトソーシング)すればいい。主にこれらの点だろう。
私の通販での大前提は、通販は「小売業」であるということ。無店舗という立派な店舗なのである。
「お店」とは、それなりの体裁が必要である。「もてなし」も必要である。これらがしっかりしていないと、売れる店舗にはならない。目下、小売業での勝ち組は「通販」である。
デパート、スーパー、コンビニ、その他あらゆる小売業の中で、突出した伸び率を誇っているのが通販であり、金額的にもデパートを抜いて小売の「着地点」といわれるまでになった。特にインターネットの時代になり、一層その差が広がりつつある。
「ネット通販」と「モバイル通販」「ネットスーパー」等々、日経新聞にこれらの活字が躍らない日はないといっても過言ではない。
では、その入門編として「通販」=「小売」を頭の中に叩き込むことが成功の第一のポイントである。
<ストーリーという付加価値>
次に「商品」ありきである。具体的には、無店舗であるためその「専用商品」である必要がある。では、一般の商品とどう違うのか。1番は何といっても、手にとって確認することができないことだ。
2番目は、店員さんから説明を受けることができない。質問もできない。食品であれば試食もできない。
3番目は、値切り交渉もできない。これらのデメリットをどう克服するか。そのために通販専用商品化という作業が必要となる。それには、「ストーリー」という付加価値が絶対条件として発生する。「商品の良さ」は前提なので、その周辺の「情報」である。会社情報、地域情報、そして「人」の情報、これは社長および担当者、開発者等々、この商品に携わったすべての人の情報である。
そして、それらの伝え方、これが通販での重要ポイントの一つである。このストーリーの質と量の差が売上に関係してくる。
これはDM(ダイレクトメール)であり、HP(ホームページ)のトップページであり、新聞広告のコピー等、あらゆるお客さまへのアピール度の原型となるものである。この点を考えると、「ヒト」「モノ」「カネ」という商売の絶対条件にプラスする「情報」の優劣が勝負の分かれ道であるのが通販だ。
「モノ」(商品)に「情報」(ストーリー)というもてなし術(ワザ)を付加することが、通販の実務の第一歩なのである。
<プロフィール>
(株)四方事務所 代表 白川博司(しらかわ ひろし)
通販コンサルタントとしてメーカー、加工業、卸・問屋、住宅、小売、旅行、サービス、芸能プロダクション、墓石・葬祭など、これまでにあらゆる業種業態で通販的手法を活用した新しい売り方、顧客・取引先開拓法、売上増大法を指導してきた。14年間に280社以上の通販事業を立ち上げる。徹底した現場主義を貫き、北は北海道から南は沖縄まで月間30社以上で指導を行なう超多忙なコンサルタント。
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