「琉球もろみ酢」ショックから6年
全国的な健食不況の余波を受けているとはいうものの、県内市場低迷の大きな引き金となったのは04年前後に起きた「もろみ酢ショック」だった。それまでは国内650億円ともいわれた健康酢市場をけん引する代表選手だった「琉球もろみ酢」だが、アミノ酸を添加するだけの廉価品や「琉球」の名を冠して品質を偽る表示違反品が横行し、イメージダウンにつながった。TVの人気番組「ちゅらさん」ブームも落ち着いて、もろみ酢市場は一気に冷え込んだ。08年には、荒波をかぶった (株)ビレモ沖縄などの大型倒産も招いた。いち早く県内のもろみ酢業者が立ち上がり、全国の業者に呼びかけて「もろみ酢公正取引協議会」を設立、復権へ向けた取り組みを始めた。
08年、内閣府沖縄総合事務局を中心に「琉球エステ・スパ」を切り口とした新プロジェクトなど、業界の垣根を越えて観光資源を最大限に活かすための産官一体となった取り組みがスタートした。そのような取り組みが奏功してか、減り続けていた観光客数も今年の2月になってようやく反転上昇の兆しをみせている。
健康食品業界では今、沖縄ブランド神話の復権に向けた動きが活発化している。沖縄県は2年以内に、県内の受託製造工場10社を健康食品GMP認定工場とする取り組みを開始した。素材の見直しと検証を進めつつ、一過性のブームに乗るのではなく、エビデンスと結びついた沖縄ブランドの再構築を目指している。
5月13日には財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会主催で、健康食品フォーラムが開催される。テーマは「沖縄健康食品産業の挑戦と課題」。沖縄健食復権に向けて新たな第一歩が踏み出される。
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