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調剤診療報酬が最大4倍超、ジェネリック業界躍進に弾み(1)

2010年5月 1日 08:00

 4月1日から薬価改定ならびに診療報酬算定の見直しが実施された。なかでもジェネリック医薬品(後発医薬品)における調剤報酬点数が大幅に加算されることになる。一方で、ジェネリック医薬品大手の大洋薬品工業(株)が薬事法違反による業務停止命令を受けるなど、ジェネリック業界に対する不信感も植え付けた。診療報酬改訂によって同業界は躍進に弾みをつけられるのか、一部に根強い不信感は払拭されるのか。ジェネリック先進県とされる福岡県の取り組みを交えながら、同業界の歩みを振り返りつつ将来を展望する。


ジェネリック普及の壁


 ジェネリック医薬品(以下、GE)とは、新薬の特許期間(20年)が満了した後に、厚生労働省(以下、厚労省)の承認の下に発売される医薬品の総称で、俗にゾロ・ゾロ品などとも呼ばれている。開発費等が大幅に抑えられるため、新薬に比べて低価格で提供される。
 わが国の国民医療費は2008年度に34兆円を突破(厚生労働省統計)、重い財政負担として国民生活を圧迫している。なかでも、医療費に占める調剤費の割合は欧米先進諸国に比べて高い比率を示している。危機感を覚えた政府は08年4月以降、処方箋に記された医薬品をGEに改めることを認めるなどし、厚労省主導による普及に努めてきた。GEメーカー各社も有名タレントを起用したテレビCMを放映したり、同業者で組織する日本ジェネリック医薬品学会を通じて医療機関の窓口で患者が提示すれば同医薬品利用の意思表示ができるという「ジェネリックお願いカード」を発行するなど、GEの利用を積極的にピーアールしてきた。その甲斐あって徐々に利用率が上がってきているとはいうものの、爆発的な普及にはなかなかつながっていない。隠された理由の1つを業界関係者は次のように述べる。
 「病院側にも調剤(薬局)側にも、ジェネリックを使うメリットは何もない」
 ルーチン化した医療機関のなかで、煩雑な業務を今さら導入することに戸惑う医療従事者と大手病院の執行部、さらに大手製薬メーカーと病院側との馴れ合い体質が、GE普及の壁の1つとして立ちはだかっているというのだ。「要するに、誰のための医療保険制度なのか、誰のためのジェネリックなのかが根本的に問われなければならない」(同)と唇をかみ締める。


後発医薬品調剤体制加算の見直し

(つづく)

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