福岡県が全国に先駆けて議論
福岡県は2007年8月、国に先立ち、いち早く福岡県ジェネリック医薬品使用促進協議会を発足させ、GEの使いやすい環境を整えるための討議を開始した。福岡県薬務課を事務局とし、これまでに12回に及ぶ議論を重ねている。全国でも初めての試みとして注目を集めてきた。
参加者は福岡県医師会をはじめ、病院、薬剤師会、大学などを代表する委員と、福岡県製薬工業協会、医薬品卸業協会など製薬業界を代表する委員ら13名。当初はさまざまな利害がぶつかり合うなかで意見の対立も見られたが、診療報酬改訂が目前に迫った3月23日に福岡市内で開催された2009年度最後の協議会では、GEを「皆保険制度を守るための鍵」と位置づけ、GEの使い方について中間報告がまとめられた。
県内におけるGEの流通状況を比較した場合、07年度が数量シェア19%、金額シェア7.9%だったのに対し、2年後の09年度上半期は27.6%、9.1%と使用促進に着実な進捗が図られている。
GE大手が薬事法違反
3月25日、GE大手の大洋薬品工業(株)(名古屋市中村区)が薬事法違反行為を行ない、業界に激震が走った。
同社が販売する医薬品『ガスポートD錠20mg』に関し、2009年2月13日に製造した2ロットにおいて、有効成分の含量が承認規格と異なっていたというもので、薬事法第56条第2号(承認内容と異なる医薬品の製造)に抵触、9日間の業務停止を命じられた。
原因は、混合工程において、2ロット間で有効成分を含有する造粒品の一部とその他成分の造粒品の一部を取り違えたことによる。このことは同社が行なった保存品の品質試験で明らかになったが、出荷判定試験時に他のロットのサンプルが意図的に品質部門に提出され試験が行なわれたために、承認規格からの逸脱が判明することなく09年4月から9月にかけて全国の医療機関に出回った。同年10月27日までに製品を自主回収した同社は「業界に大きな迷惑をかけた」と反省、「4月2日に再発防止委員会を立ち上げ、問題が起きた手順の見直しを図るなど再発防止策に取り組んでいる」としている。とはいえ、診療報酬改訂に水を差す結果となった。
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