一般社団法人　日本フードアドバイザー協会　創始者　宇井義行氏

　―士業の方の指導もさることながら、飲食店経営者の方々にはどのようなフォローを考えておられますか。

　宇井　個人店はチェーン店とは違い個性を出すことができますが、価格についても競争できる力を身につけることも今後大事になってくると思います。
まずマスメリットとして、皆がノウハウを共有できるようにすることが大事だと思います。たとえば食材１つとっても、九州の一部の経営者は全国各地に人脈があり、北海道の食材が簡単に手に入っている人もいます。私は今後、飲食店経営者の方々で商店街のような組織をつくることができれば、ノウハウや食材供給などのメリットを共有できると思っております。

　また、私どもが組織を作ることによって、クレジットカードなどが通せることなども考えております。現金で払うと損をするという考え方です。たとえば、クレジットカードの手数料が高いところは安くするとかですね。売上を上げるためにチェーン店と同じようなイベントができるようにするなど、メリットはいくらでもつくりだせます。

　―ほかに、どのようなことを考えておられますか。

　宇井　各地域に寺小屋的なものをつくり、飲食店の基本を学んでもらう集まりもつくっていきたいと考えております。少数で始めることにはなりますが、回数を重ねることで、数多くの経営者のためにもなるでしょう。そうした方々にコンサルタントなどの資格をとっていただき、セミナーの講師などをどんどんやっていただいたりすれば、良い結果につながると思います。
　４月25日、札幌で勉強会をさせていただきました。これからも継続してやっていきたいと思います。私が思うに一番大事なことは、世の中に何かを残さないとダメだということです。これからは北海道１週間、九州に１週間、残りはほかの地域に行くというところですね。私どもは福岡だけではなく、九州全土を領域にやっていこうと思っています。

　―今日はお忙しいなか、ありがとうございました。

【文・構成　矢野寛之】

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