【唐津街道中膝栗毛/後編】景観保存と開発の狭間で揺れ動く箱崎~小倉の旧宿場町(中)
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【番外】原町(宗像市)
旧街道の雰囲気はバツグン、往時の景観が残る休憩所
原町は宿場町ではないが、赤間宿と畦町宿のほぼ中間地点に位置することから、福岡藩および唐津藩の参勤交代時の休憩所としての役割があったとされている。現在、宗像農協南郷支店および「とれとれプラザ かのこの里」の駐車場に、唐津街道・原町の案内板と、行灯形の唐津街道の標識が建っている。
他の宿場町に比べて、御茶屋や構口などの特徴的な遺構はないが、江戸末期に醤油造として建てられた「眞武醤油造跡」や、同じく江戸末期に造り酒屋として建てられた「眞武酒造跡」など、往時の建物や白壁の街並みが景観保存されており、静かな雰囲気を伝えている。07年には宗像市の「街なみ環境整備事業」の一環で、街並みや建物に修景施設整備が施され、同年11月には同じ宗像市内の赤間宿とともに、国土交通省の「風景街道」に登録。唐津街道のなかでも、とくに往時の雰囲気を色濃く感じられる場所になっている。
ちなみに、ここはかつて南郷村の中心部で、村役場が置かれていた。南郷村は1954年4月に赤間町、東郷町、吉武村、河東村と合併して宗像町になり、81年4月には市制施行で宗像市となった。旧南郷村役場は現在も残っており、今は「米倉医院」の病院建物として利用されている。
なお、原町のすぐ北側には国道3号が走るなど、交通利便性も比較的高い場所ではあるが、前述のように街なみ環境整備事業が行われていることもあり、唐津街道の往時の雰囲気を残すためにも、過度な開発は抑制されて然るべきだろう。
【坂田 憲治】
法人名
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