2024年05月09日( 木 )

3カ国の現実の落差にショック

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 フィリピン・マニラへ経済視察に行った。ブラカン州立大学(理系)の授業に立ち会って確信を得た。日本の大学生と比較して学習姿勢の気概が全然違う。また這い上がろうとしている姿勢には圧倒された。「チャンスがあればフィリピンの大学生を採用することが賢明だ」と思い至った。同国では地下鉄、高速道路、国際飛行場の建設とインフラ建設が本格化している。10年も経過すれば東南アジアでもひときわ存在感を発揮する国になることは間違いない。

 ところが経済発展の一方で、時代遅れになりつつある風景もまだ残っている。マニラから日本への帰りの飛行機で遭遇した一団がいた。総勢30名くらいか。拙い会話を通してわかったことは、どうやらこの一団は宮崎県で食肉をさばく現場に技能実習生として派遣されるらしいのだ。月収は12万円、3年の期間であるとか。「あーそうか。十年一日の如く、相も変わらず日本の現場は技能実習生にたよりきっているのか」と暗い気持ちに陥ってしまった。

 福岡空港に到着した。西側から50人ほどの韓国人が小走りに近づいてきた。誰よりも先に入国手続きしたいという、はやる気持ちを露にしていた。「あーこの韓国人の方々はまた博多でお金を落としてくださるのだ。ありがとうございます」と内心で感謝した。夕方5時台はソウル・インチョン空港へ4便飛んでいる。どうして韓国の方々が日本へ押しかけてくるのか、筆者としては必ずしも動機が十分に理解できていないが、ただ勢いには圧倒されるものを十分に感じている。フィリピンと韓国の勢いにひきかえ、日本について考えてみると、その落差を感じてますます暗澹となる思いであった。

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