2024年05月19日( 日 )

「もう天井?」2024年地価公示、福岡はさらに上昇(5)

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【東区】
千早と工業地

 3年連続で10%以上の上昇となったのは、博多区・中央区に次ぐ16地点を数えた。4年連続は4地点で、依然として「千早5-2-26」は高い上昇率を誇るほか、区内で2番目に高い値を付けた。同じく千早エリアからは、「名島3-2-16」も3年連続で高い上昇率を続けた。最も高い値を付けたのは、「香椎駅前1-8-14」で79万円/m2。こちらも3年連続で10%以上の上昇を続ける地点で、今回は12.9%の上昇となった。西鉄・香椎駅から徒歩1分、セピア通り沿いの同地周辺は再開発により街並みが大きく変化したエリアで、駅前立地という繁華性と希少性から高く評価された。

 東区で地価が上昇したのは、千早エリアと箱崎ふ頭、東浜、二又瀬、松島、多の津などの工業地。いずれも10%を大きく上回る上昇率で推移しており、倉庫需要の高まりとともに値上がりが著しい。

九大箱崎と九大病院

 再開発が予定される九州大学箱崎キャンパス跡地の周辺でも、上昇が続いている。「箱崎6-11-1」「箱崎3-13-15」は前年比15%以上の上昇となり、いずれも「跡地開発への期待」が地価を押し上げた。さらに、「馬出1-24-18」「馬出2-20-6」など、地下鉄・馬出九大病院前駅の周辺でも上昇が目立った。九大箱崎キャンパス跡から南に1km強(直線距離)の九州大学病院を取り囲む馬出エリアは、地下鉄駅のほかJR吉塚駅も利用可能で、国道3号にも接するエリア。さらに、大型商業施設・ゆめタウン博多をはじめ商業店舗も多く、マンションからアパート、戸建住宅まで幅広い住宅需要が高いと評価された。

 ゆめタウン博多から歩道橋を隔てて徒歩3分の立地では、アライアンス(福岡市中央区)が分譲マンション・クラブスタイル 馬出フェリシア(20戸)の開発を進行中。地下鉄やバスのほか、博多駅や天神まで自転車でも20分程度で通勤可能なことから、販売も好調に推移しているようだ。敷地の北側には市立福岡中学校、東側には九大病院、南側には大型共同住宅があり、開けた立地が特徴。アライアンスの新ブランド「クラブスタイル」の第1弾となるこのマンションは、小規模マンションながら2LDKから4LDKまで幅広い間取りをそろえる。アライアンスはほかにも、エイリックスタイル三苫駅サザンコート(28戸)、エイリックスタイル香住ヶ丘クオリア(31戸)、クラブスタイル 和白駅前シーサイド(46戸)など東区内で複数のマンション計画を進めている。

(つづく)

【永上 隼人】

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