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特別取材

天と地を知る男たちの激白(4)~サラリーマン社長
特別取材
2011年6月13日 16:59

【第4回 サラリーマン社長】

 ―― 山水建設は創業50年ですね。1世紀くらい経過しているような感がありますが、まだ50年。現会長はなぜ3代目の社長になれたのですか。また、社内がなぜ官僚的になってしまったのですか。

サラリーマンなので、たとえ理不尽でも... 野口 現会長は、まず年功序列のエスカレーターで上がってきているのです。そのなかで、さまざまな振り落としされながらも"生き残った"のです。創業者は、幹部らには「各々取締役・営業部長・人事課長など社内の職責がたまたまあるだけである。自分自身の実力であると思うな。そして部下に威張り散らすなと常日頃から申しておりました。皆、一様に「はい」と口だけで言うことを聞かず、創業者の考えは定着せず「ワシが山水建設を引っ張っているのだ。俺は偉いのだ」と威張り散らす幹部が多勢でありました。よって社内組織が官僚的に成り下がってしまったのです。要は、権力を握るということは人事権を掌握するということに尽きます。「俺の言うことを聞かなければ、飛ばすぞ」と力で押さえつけてしまいます。サラリーマンなので、たとえ理不尽でも言うことを聞かざるを得ないでしょう。

 ―― DKホールディングスのような250~260億円規模のオーナーは、自ら先陣を切って営業数値を作っていかなければならないというのが現状です。そしてそのオーナーのぶら下がりが、言いたいことを言っているのが現状です。山水建設の3代目である現会長に幹部クラスが何も言わずに従ったのはなぜでしょうか。

 野口 楽だからです。創業者や2代目の時はまだモノが言える風土でしたが、3代目からは、完全に独裁的な組織に成り果てました。何かモノ申そうなら次の日は、どこかに異動させられている。当然意に沿わない人事異動です。そのような硬直した組織では、何も言えません。

 石川 人をマネジメントする方法は色々ですが、恐怖によるマネジメントは最低な手法ですね。そして一番効率が悪い。経営者に方針がありそして尊敬できる、経営者自らが手本を示すが如く活動すれば、社員も自ら考えて動きます。

 野口 石川さんがおっしゃる通り、経営者に厚い人格と品格を持って企業トップとして力を発揮することが、組織を活かすのです。恐怖の下、独裁的な企業経営によって何かモノを言ったらクビが飛ぶような組織だから、皆黙っているのです。

 石川 ローマ時代に奴隷制度があり、奴隷制度から賃金制度に移行したのは賃金制度の方が効率的に組織を作れるからなのです。

(つづく)

【文・構成:河原 道明】

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