2024年05月04日( 土 )

【12/29】1年間の集大成を披露 学生と企業のコラボで新たなビジネスの萌芽を図る

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学生団体 Breakthrough Fukuoka
学生代表 吉田 聖舟 氏

 学生団体「Breakthrough Fukuoka」は福岡大学経済学部の「ベンチャー起業論」にルーツをもち、企業との協業を通じて学生は企業活動や社会への興味・関心、知見を深め、企業は新規事業の開拓や商品開発において学生のもつ新たな視点を事業に反映させることができる。同団体は現体制に移行してから2期目。現在の同団体の活動や今後について、学生代表・吉田聖舟氏にうかがった。

授業の枠を超え、
ビジネスの世界を学ぶ

【12/29】1年間の集大成を披露 学生と企業のコラボで新たなビジネスの萌芽を図る
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    ──どのような活動を行っていますか。

 吉田聖舟氏(以下、吉田) 当団体は福岡大学経済学部の専門科目である「ベンチャー起業論」を母体として発足しました。今期は福岡県内の6大学(福岡大学、福岡工業大学、中村学園大学、福岡女子大学、福岡女学院大学、西南学院大学)から集まった65名がそれぞれのプロジェクトに分かれ、インターン先の企業の方と協業しています。

 当団体では各学生が主体性をもって企業の問題発見とその解決に取り組む「課題解決型(PBL)長期インターンシップ活動」を行っています。3月から12月までを「守(しゅ)」「破(は)」「離(り)」の3つのフェーズに分け、プロジェクトごとに段階的な活動を行っています。活動の原点となる3月から8月は「守」の段階として、企業と学生が協働するうえでの現状分析を行います。調査の基準となるのは市場・顧客・他社・自社という4つの観点になります。この調査をふまえ、「破」の段階では企業が抱える問題やその原因を追究し、最後の「離」の段階では、発見した問題を解決するための提案やその検証を行います。

 この活動は1年単位で行われており、大学1年次から参加することが可能です。しかし、学生団体として再スタートをしてからまだ2期目ということもあり、昨年から引き続き参加する学生は少なく、今年度の学生のほとんどは初参加です。それゆえに、プレゼンの作り方や企業やビジネスに関する知識などがほとんど備わっていない学生が多かったですが、月に1回ブラッシュアップセミナーを開催するなどして、基礎から学ぶ場を設けています。

 実際の活動では、インターン先企業とプロジェクトを結成することになります。今期は6つのプロジェクトが進行中で、新規事業の立ち上げや商品開発、ブランディングなどを行っています。

 前期発表会で1位となった「Re.TOMO PJ」では、OA機器関連および液晶関連部品等の加工・販売などを行うほか、新規事業としてEV船モーターの販売を手がけている友池産業(株)(大阪市、吉川誠代表)と協業し、「EV船の普及」をテーマに活動を行っています。前期はEV船や業界の現況について、実際に事業を手がける企業へのヒアリングを行うなどして調査を行いました。現在は後期発表に向け、実際に顧客となる団体へのアプローチを図っている段階になります。

 ──学生の皆さんはどのような経緯で参加されるのでしょうか。

 吉田 今年度の場合、中村学園大学は流通科学部、福岡大学は商学部、福岡工業大学は環境社会学部など、経済活動や企業に関する学部の学生がメインの層となっています。このなかには経営者になりたいという将来の夢の実現や、就活の強みにしたいという思いから参加を希望する学生がいます。これまでのOB・OGの先輩のなかには就活の面接時、人事の方から強く関心をもたれたと話す方もいましたので、この経験は一生ものになると思います。

 また、当団体は学外活動となります。授業の枠を超え、ビジネスや企業活動に対してさらに見識を深めたいと思う学生が集まっておりますので、どの学生を見てもその熱意の強さに驚かれると思います。

 私自身も昨年より当団体の活動に参加しています。21年4月、大学に入学したときはまさにコロナ禍真っ只中。1年生の前期は学校に行くことができず、すべての授業がリモートとなってしまいました。後期からは少しずつ登校可能となりましたが、高校生までに夢見ていた大学生活とは程遠いものでした。経営者になりたいという夢があり、大学では会社の立ち上げ方など経営に関することを学びたかったのですが、実際の授業ではそのような内容はあまりありませんでした。学校に行ったところであまり人もいないのでそのまま家路につき、アルバイトに行く毎日でした。一般的ともいえるかもしれませんが、私としては刺激のない日々だと感じました。そのような生活を送っているときに当団体の存在を知り、「ぜひ参加してみたい」と興味をもちました。実際に活動してみると、想像以上に熱中してしまい、気が付けば2年目、学生代表として活動しています。

留学生も参加できる環境づくりを

 ──来年度以降の目標はありますか。

 吉田 大学の1つの講義である「ベンチャー起業論」では受講可能な学生が限られていましたが、当団体はあくまで学外活動となるため、留学生も参加が可能になります。来年度は参加大学の留学センターや周囲の日本語学校への働きかけなどにも注力し、さらに幅広い学生が参加し、その知見をインターン企業の方へ還元できればと思います。

 ──読者の方へメッセージをお願いします。

 吉田 どの学生も主体性と熱意をもって活動していますので、彼らの活動を知り、応援していただきたいと思っています。今月29日には福岡工業大学において、1年間の集大成を発表する「後期コンテスト」を行います。各企業で学生がどのような活動を行ってきたのか、興味がある方はぜひご来場ください。YouTubeでも同時配信を行いますのでそちらでもぜひ参加いただきたいです。

【杉町 彩紗】


<EVENT INFORMATION>
イベント:後期コンテスト
日 時 :12月29日(金)午後1時開演
会 場 :福岡工業大学 FITホール3階
参加費 :無料

YouTubeでのライブ配信も予定
リンク:https://www.youtube.com/live/snd8Ci0xdOQ?si=xjie5uoKMUexOxQ2
Breakthrough公式サイト
https://www.breakthrough-asia.com

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