(株)アキラ水産
代 表: | 安部 泰宏 |
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所在地: | 福岡市中央区長浜3-11-3 |
設 立: | 1960年4月 |
資本金: | 2,000万円 |
TEL : | 092-711-6601 |
市場直結の強みを活かして開発した
こだわり商品で魚食普及と販路拡大を展開中!
市場内の地の利を生かし
新鮮さにこだわった加工品
福岡の鮮魚仲卸業界のリーディングカンパニー、㈱アキラ水産。一般市民に鮮魚市場を開放する「市民感謝デー」のけん引や、食のシンポジウムへの支援など、魚食普及に積極的に取り組んでいる同社は、海産物の加工品メーカーとしての一面も持つ。
その商品開発のこだわりは、何といっても新鮮さ。市場内に加工場を持つ同社では、市場に水揚げされた原料を生のまま加工し、冷凍するというワンフローズンの工程が特徴だ。こうすることで、例えば「干物の詰め合わせ」の魚にはみずみずしさが残り、魚本来の食感や美味しさを消費者は楽しむことができる。
その他の、天然鯛を使った「アキラの鯛茶」やオリジナル明太子「あきらめんたい」といった同社の商品には旬の原料が贅沢に使われており、グルメの舌を満足させている。
機内誌で紹介されるなど
本物の味の評判が拡大
この「アキラの鯛茶」は、もともと同社事務所の訪問客への手土産だった商品。現在、市場会館1階の店舗で買えるのだが、昨年初め、全日空の機内誌で紹介されたところ、「どこで買えるの?」と多くのブログで話題になり、加工品部門の統括者である坂田英治副社長が「空港から市場会館まで直行で買いに来られた方もいらっしゃいました」とエピソードを話すほど、今でも希少価値の高い商品とも言える。 そんな少量販売にはちゃんとした理由がある。同社では、旬の原料を大量に買い付けできる時に可能な限り入手し、加工品に回しているのだが、自然相手であるために入荷量が一定せず、どうしても加工品の製造量にも限りが生じている。オンデマンドですぐに大量生産できるものではないのだ。季節の魚を使う干物詰め合わせは特にその例に当てはまる。 しかし「本物の魚の美味しさを知ってほしい」と考える同社では、魚食普及という観点からも加工品について現状のままで良いとは考えておらず、積極展開を考えている。
より多くの人に届けるため
新たな販売チャネルを模索
まず商品開発の部門に新たな人材を登用するため、某有名ホテルから開発担当者を招へいした。社内に研究所を新設し、ここを開発拠点に、これまで社員の感覚頼みだった商品づくりを、プロの専門知識で開発する態勢を整える。
また消費者が気軽に購入できるアンテナショップの計画も。何台か駐車できる路面店という条件に見合う立地情報を収集している。さらに食に強い商社と商談をスタートさせており、小売店のみならず外食産業への販売や原料調達を優先した通販など、同社ならではの多様な販売ルート確立を模索している。
安部泰宏社長は「当社の加工品は、今まで儲けを度外視して作ってきました。しかしより多くのお客様に魚の本当の美味しさを味わっていただくためにも、これからは採算ベースに載せ、安定供給できる態勢を整えていかなければなりません」と力を込める。安全性はもちろん美味しさを求める消費者を満足させる加工品の開発と拡販に鮮魚仲卸業の底力を発揮しようとする今後の動向に注目したい。
(原 清和)