(株)山一
代 表: | 小嶺 一春 |
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所在地: | 長崎県南島原市布津町丙1763-1 |
設 立: | 1972年3月 |
TEL : | 0957-65-1110 |
FAX : | 0957-72-6887 |
URL : | http://www.mennoyamaichi.co.jp |
カフェでの提供や洋食レシピなど
島原特産の手延べそうめんの可能性を追求。
手延べ麺界でISO初取得
安全な麺づくりに努める老舗
南島原市は、全国でも名が知られた手延べそうめんの生産地。肥沃な土地から良質の小麦が取れることや名水百選に指定されるほどの清らかな水、麺づくりに適した温暖で乾燥した気候風土などが相俟って、南島原市一帯で生産されている。そんな多くの製麺業者が点在するなか、1972年に創業したのがめんの㈱山一だ。同社の麺づくりの合言葉は《おいしい。うれしい。笑顔になります。》とくに消費者からの要望が強い食の安全性には力を注いでおり、数々の施策を実行した結果、手延べ麺業界で初めてISO9000を取得した(2003年)。
麺本来の美味しさにこだわる同社では、工程の随所に昔ながらの手作業を生かしているのが特徴だ。なかでも、麺匠と称される単一等級製麺技能士・高橋一義氏が手がける麺は、一度は食してみたい超極細手延べ麺。標準的な麺は10gあたり70~80本だが、高橋氏の麺はなんと10gあたり150本。もちろん茹でた後に時間を置いても腰の強さを損なわず、繊細な食感を楽しめる。
同社が手がける一高店舗(南島原市布津町)では、現在、この高橋氏の手による超極細麺を始めとして、各種の麺類や詰め合わせを販売。遠隔地からであれば、通販サイトが利用できる。
そうめん消費拡大のために
洋風レシピをカフェで提供
南島原市の国道251号線沿いに建つ店舗は、麺の販売だけを目的としていない。島原手延べそうめんの長年の文化を今に伝える情報発信地としての機能も持たせているのだ。
まず、伝統の古式製法が人形の動きによって一目で分かる再現コーナーを設置。製法の細かな部分まで再現し、また思わず笑ってしまうような人形が配置するなど、来店客の人気を呼んでいる。
店舗のもう1つの目的が、そうめんの新しい食べ方を提案することだ。そうめんの食べ方は?と言われると、冷やしそうめんを汁(つゆ)に浸けてすする。あるいは、温かなにゅうめんにする?その程度しか思い浮かばないのではなかろうか。店舗にはカフェスタイルの食事処を併設し、従来の冷やしそうめんだけではなく、洋風レシピのメニューを提供するようにした。例えば、和風ペペロンチーノやスープカレーそうめんといった、パスタ感覚でそうめんを堪能できる。季節ごとの限定メニューも揃え、リピーターを飽きさせない工夫もしている。
「そうめんが女性や若者にもっと身近な食品になってほしい」という殿村高平常務。一高本舗は、伝統を尊重したうえで、次の世代に愛される麺文化にチャレンジしている。
(原 清和)