2024年11月25日( 月 )

福岡の飲食店をめぐる耳より2編

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金持ちアジア人、鮨をこのうえなく愛する

susi 「中央区平尾5丁目にある高級寿司店はどこ?」と言えば、博多の食通には「あそこだ」とわかるものである。恐らく福岡でも、3本の指に入る店であろう。
 ある日曜日の夕方に立ち寄った。この店の平日の予約は、ほぼ不可能だ。1カ月前からでないと、なかなか予約は取れない。ただ日曜日であれば、比較的予約が取りやすいことを教えておこう。

 カウンターに座った。隣には、見た目40代の経営者風の男と、連れの20代後半の女性がいた。数度、眺めてみたが、どうも同胞でない感じを抱いた。彼らが店を立ち去った後に、店の人に聞いてみた。すると、「香港の方です。月に2回、当店にやってきます。食事のためだけに来福されているそうです」と返ってきた。
 聞くところによると、この店には台湾やシンガポールの金持ちが、定期的に会食にやって来るとか。アジアの金持ちたちは、美味しい食事には糸目もつけずに金を使う。よくまー情報を的確につかむものだ。

1万円足らずの売上でも止められない、屋台経営のオヤジ

 福岡市の行政指導により、博多区須崎の川沿いにあった屋台4店が、昭和通り沿いの中洲中島町へと疎開してきた。この4店のなかで、ネットを巧妙に駆使してたくさんのお客を集めて繁盛しているところもある。その店には、無数の観光客が押し寄せて来ているのだ。

 しかしその一方で、隣の3店はあまり芳しくない。2時間の間で、お客が1人も来なかったところもあった。この昭和通りの対面に、古くから営んでいる屋台がある。「店の雰囲気に、少しでも手を加えれば繁盛するのになー」と、いつも残念に思う。
 1日の業務を紹介しよう。夕方5時に、屋台を車で運んでくる。設営に2時間を要する。営業は夜7時からで、営業時間は最長で夜中の3時までである。片づけにもまた2時間かかる。家に帰るのが朝方5時。準備から片づけまで12時間を要して、1日に稼ぐ金額が1万円に満たない日が月に10日あるとか。
 「廃業したとして、次の商売を考えても思いつかない。だから踏ん切りがつかない」と、屋台のオヤジは嘆く。

 

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