豪雨被害の老舗旅館が営業を再開 原鶴温泉・泰泉閣
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九州北部を襲った記録的な豪雨が福岡県と大分県に大きな傷跡を残した。被災地では猛暑の中、復旧作業が進められているが、被災者が日常を取り戻すまでには、まだまだ相当な時間を要するだろう。
被害の中心地となった朝倉市の原鶴温泉で、老舗旅館として知られる泰泉閣も甚大な被害を受けた。建物の中にまで浸水し、一時的に営業停止を余儀なくされた。社員にはとくに被害が大きかった朝倉市旧杷木町地区や東峰村に住んでいるものもおり、それぞれの自宅の被害も深刻だった。こうしたなか、従業員総出で一日も早い営業再開を目指し、13日の長崎からの修学旅行生の来館に間に合わせることができた。
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被災地にはさまざまなケアが必要だ。二次災害を防ぐ安全確保はもとより、被災者の衣食住の確保、破壊されたインフラの復旧も重要だ。また寄付やボランティアの支援が、復旧の大きな支えとなる。同時に被災地の経済基盤の回復も欠かせない。生活の基盤となる経済活動が止まったままでは、被災地が再建を果たすことはできない。
被災地の観光業は、経営的に大きなダメージを受ける。復旧は進んでも、被災地としての印象が強いため、なかなか観光客が戻ってこないのだ。少なからず風評被害のリスクもつきまとい、ほかの業種よりも受けるダメージは大きい。
原鶴温泉も、すでに豪雨の影響による宿泊キャンセルが5,000人以上に上っており、今後も増える可能性があるという。長崎の修学旅行生のように、予定通りに観光にきてもらうことが被災地の支援にも繋がる。「博多の奥座敷」と言われる風光明媚な原鶴温泉が、一刻も早く以前の姿を取り戻すことを願ってやまない。
【緒方 克美】
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