拠点を増やし飛躍を狙う~プレナム機工(有)
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プレナム機工(有) 代表取締役 福吉 浩樹 氏
「迅速配送」で信頼を勝ち取る
九州一円を営業エリアとして冷凍や空調設備の資材や機器を扱う専門商社、プレナム機工(有)。現社長の福吉浩樹氏の父親が1992年に鹿児島市で設立。順調に業績を伸張し、2010年に浩樹氏が社長就任、12年6月には福岡(営)を開設した。
「冷媒などの配管を守るパイプカバーのメーカーから、北部九州でも代理店を務めてほしいと要請され進出しました。在庫を用意しておき、販売から配送、フォローまで行う『迅速配送』が評価されたようです。メーカーの物流センターに近い東区松島に本社と同規模の倉庫を開設し、業者さんのニーズに柔軟に対応できるようにしました」(福吉社長)。
同社が扱うパイプカバー「アーマフレックス」は、1954年に米国で開発された。保温・断熱のほか結露防止にも高い効果をもつため、冷凍・冷蔵設備の床下や壁内の配管工事では、最も信頼されている資材だという。
九州の中心地である福岡では、コンビニやスーパーの出店が活発だ。冷凍や冷蔵のショーケースは、ドラッグストアでも冷食や日配品を扱うために導入するところが多く、パイプカバーの需要は安定して高い。
同社はその九州唯一の代理店としての強みと販売スタイルを生かし、空調や住設機器のメーカーへの販路を広げてきた。福吉社長は「主に紹介で得意先が広がっていますので、仕事ぶりを評価してもらっているのではないでしょうか」と語り、「空調のみ、冷凍のみで競争に勝つのは厳しいが、弊社は両方できるのが強み。コンビニやスーパーの新築や改装をするときに裏側のパイプやカバーなどを全部扱えますからね」と自信を見せる。
同社が誇る物流システムの「迅速配送」は、地元では工事業者はもとより、大手メーカーにも評価されていたが、福岡に進出したことで南北から九州全域をカバーするシステムへと成長した。「メーカーからも要請されていますが、鹿児島と福岡の2拠点だけでなく、将来的に九州内の拠点を増やしていきたい」と、福吉社長は未開拓エリアへの拠点開設と、さらなる顧客数の拡大を狙う。
風通しの良い社風に人材が定着
「約6年前に福岡営業所を開設して、とくにこの3年で大きく伸びました。やはり福岡は市場が大きいですからね」と福吉社長が語るように、同社は福岡進出3年で年商が倍増し、18年には福岡営業所の移転も検討しているという。
この好調を背景に、同社では若い人材や女性の登用にも力を入れている。「人気のある業界・業種ではありませんが、若い人が定着して頑張ってくれています。いまは順調でお客さまに必要とされていることがわかりやすいため、やりがいを感じてくれているのでは」と社長は語る。
同社が業者やメーカーから選ばれているのは、ただ注文を受けるのではなく、普段から積極的な提案を行い、自社だけでなく得意先の業務の効率化にも一役買っているからだ。「結局は効率化。得意先の状況を把握しておくことで柔軟に提案や営業ができますし、急な依頼も減ります。その結果、無駄な残業が減るといった良い循環が生まれています」(福吉社長)。
また、女性パートを午前9時~午後4時という子育て世代の主婦にとって働きやすい時間帯を意識して募集したところ、20名ほどの応募があったという。業務の効率化と従業員にとって働きやすい環境づくりを両立させたことが、巷の人手不足とは無縁の状況を生み出し、同社の好調さを支える礎となっている。
営業エリアの拡大、人材の育成がバランスよく回っている同社の2018年は、さらなる飛躍をはたすに違いない。
【鹿島 譲二】
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