2024年12月22日( 日 )

福岡都心部におけるオアシスへ~「第4回セントラルパーク基本計画検討委員会」開催

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 福岡市中央区の「大濠公園」と「舞鶴公園」の一元的な活用を図り、県民・市民の憩いの場としてのほか、歴史・芸術文化・観光の発信拠点としての公園づくりを具体化していくための「第4回セントラルパーク基本計画検討委員会」が19日、福岡市内で開催された。同検討委員会は学識経験者などで構成され、2014年6月に策定された「セントラルパーク構想」に基づいて基本計画の策定を進めていくもの。過去に3回が開催され、与条件と課題の整理のほか、計画方針や両公園の再整備計画などが検討されていた。

 今回の検討委員会では、前回までに出された意見に加え、16年度および17年度に示された国の方針を踏まえたうえで、利活用を重視した計画構成へと再編集。また、計画書のわかりやすさに留意した「第一部」「第二部」の2部構成からなる「セントラルパーク基本計画(案)」に基づき、活発な意見交換がなされた。

 利活用イメージの展開として、場所ごとの特性に応じて「水辺の憩いエリア」や「芸術文化エリア」「福岡城本丸エリア」「エントランスエリア」など7つのエリアにゾーニング。加えて、主要な動線や主要な施設を重ね合わせた方針図を示しながら、今後の利活用についての検討を行った。また、今年8月に移転が完了した福岡高等裁判所跡地についても、今後は解体後の発掘調査を経て、駐車場やテニスコートが暫定整備される方向性が示された。

 参加した委員らからは、「天神・六本丸エリアにおけるオアシスとしてのセントラルパークの位置づけが求められる」「海外から観光客を呼び込むとしているが、公園としてのハードで勝負できるのか。国内外で、もっと大規模な公園がある以上、ハード以外で勝負することを検討する必要があるのではないか」「セントラルパークとしてもっとシンボライズされた、ランドマーク的なものが必要」「文化発信拠点として、もっとはっきりした性格付けが必要」「大濠公園側に対して、福岡城(舞鶴公園)側は何も手を付けられていない。同じ土俵に載っていない」「公園マネジメントを前提とした利活用計画の検討が必要」「建前と本音に振り回されている。現実問題として福岡城・天守閣のような大規模な施設の復元は難しいため、VR活用などの現実的な解決策も考えていくべきでは」――といった意見が寄せられ、最終的なとりまとめは、次回の検討委員会にもち越されることになった。

 事業スケジュールや概算事業費などを検討する「第5回検討委員会」は、来年1月に開催を予定。その後、来年3月の計画策定を目指すとしている。

【坂田 憲治】

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