【パチンカー代の『釘読み』】パチンコ「プラザ」運営の宣翔物産、地元密着で生き残れるか
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宣翔物産(せんしょうぶっさん)と聞いてピンとこない人でも、パチンコホール「PLAZA(以下、プラザ)」の名前は耳にしたことがあるはずだ。福岡県内で9店舗営業中で、広告塔には人気お笑い芸人「博多華丸・大吉」が起用されており、テレビCMを目にする機会も多い。そんな知名度抜群のプラザを運営するのが、(株)宣翔物産である。
同社は、1972年9月、北九州市のJR鹿児島本線「戸畑駅(北九州市戸畑区)」前で創業した遊技場運営業者。「戸畑プラザ」を皮切りに、香椎・筑紫・古賀店を次々と展開し、2019年1月現在、福岡県下9店舗体制で営業している。17年7月期には808億円の売上高を計上。単純計算で1店舗あたり約90億円を売り上げており、業界大手にも引けを取らない実力をもつ。
同社は地元福岡へのこだわりが強く、関東・関西といった大規模商圏はおろか、九州他県にすら出店していない。企業理念として掲げる「最大の会社より最良の会社」の徹底からくる経営方針と考えられるが、福岡は「ワンダーランド」を展開するタイラグループ、「フェイス」運営のフェイスグループなど、1,000億円超の売上規模を誇る強豪がしのぎを削る激戦区だ。同社は01年、会社更生手続に入った(株)クリオのスポンサーとなることで、ホテル「クリオコート博多」の経営に着手。同ホテルの再建に際して、1階・地下1階に高稼働を誇る「プラザ博多」をオープンさせた。ホテル運営は、宣翔物産グループとなったクリオが引き続き手がけている。
宣翔物産の今後が気になるところだが、「取材には一切対応しないようにと言われております」(同社社員)と話す。市場規模の縮小にともなう顧客争奪戦は加速しており、この先も地場密着型で生き残れるのかという不安は拭い切れない。
遊技業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、同社は17年7月期に30億円の最終赤字を計上。同社がグループの再編や福岡県外への進出など、新たな動きを見せるのか、その動向が注目される。
【代 源太朗】
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