2024年11月22日( 金 )

久保田勇夫VS谷正明両氏の「ビジネス人生」明暗

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 記者の机には2種類の書類が置いてある。1つは久保田勇夫新春経済講演会「2019年経済・金融見通し~世界、日本、そして九州~」の経済解説誌、もう1つは福岡フィナンシャルグループの2019年3月期の決算書である。久保田氏は西日本シティ銀行代表取締役会長であり、谷氏は今年3月まで福岡フィナンシャルグループの会長のポストに就いていたことは周知の通り。

 前述した久保田勇夫氏の経済解説誌は5月の連休後に郵送されてきた。「1月末に喋った中味に関することをいまさらレポートにして送ってくるのか」と呆れた。一歩譲って、せめて九州経済調査会会長としての経済見通しならば納得できる。久保田氏の本業は銀行の経営者ではないか!福岡銀行との比較でも大きく水を空けられている。この現実から目をそらして世界経済云々ではなかろう。

 2つ目の福岡フィナンシャルグループの有価証券報告書、今月27日に行われる株主総会への提案書類である。取締役名簿に目を通したところ、谷氏の名前がまったく記載されていない。4月から取締役に就いていたのだが、今後は非常勤どころか完全に一切の役職から身を引くのだろう。かつては債権回収のために福岡市と激しく交渉をした辣腕ぶりは伝説化している。やるべきことをやり抜いて潔く身を引くこの姿勢は見事、あっぱれなり!久保田氏も谷氏の爪の垢を煎じて飲んだらいかがだろうか!

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久保田 勇夫 氏 経歴
1966年(昭和41年)4月 大蔵省入省
1979年(昭和54年)7月 国際金融局短期資金課課長補佐
1981年(昭和56年)7月 国際金融局総務課企画官
1983年(昭和58年)6月 大臣官房財務官室長
1985年(昭和60年)6月 国際金融局国際機構課長
1986年(昭和61年)6月 大臣官房参事官(副財務官)
1988年(昭和63年)6月 国際金融局為替資金課長
1989年(平成元年)6月 大臣官房調査企画課長
1990年(平成2年)6月 海外経済協力基金総務部長
1992年(平成4年)7月 大臣官房審議官(国際金融局担当)
1994年(平成6年)7月 国際金融局次長
1995年(平成7年)6月 関税局長
1997年(平成9年)7月 国土庁長官官房長
1999年(平成11年)7月 国土事務次官
2000年(平成12年)9月 国土庁を退官、都市基盤整備公団副総裁就任
2002年(平成14年)7月 ローンスター・ジャパン・アクイジッションズ・LLC会長就任
2003年(平成15年)4月 帝京大学経済学部教授(国際金融論担当)
2006年(平成18年)6月 西日本シティ銀行代表取締役頭取
2014年(平成26年)6月 同代表取締役会長

谷 正明 氏 経歴
1966年(昭和41年)4月 福岡銀行入行
1993年(平成5年)6月 同行取締役総合企画部長
1995年(平成7年)6月 同行常務取締役
1999年(平成11年)6月 同行専務取締役
2000年(平成12年)6月 同行取締役副頭取
2005年(平成17年)4月 同行代表取締役頭取 6月:RKB毎日放送社外取締役
2007年(平成19年)4月 ふくおかフィナンシャルグループ代表取締役会長兼社長
2009年(平成21年)4月 同社の執行役員兼務
2010年(平成22年)6月:西部瓦斯社外取締役
2014年(平成26年)6月 ふくおかフィナンシャルグループ代表取締役会長
福岡銀行代表取締役会長
2016年(平成28年)6月 西日本鉄道社外取締役監査等委員
2019年(平成31年)3月 ふくおかフィナンシャルグループ代表取締役会長辞任  
福岡銀行代表取締役会長辞任

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