トランプ大統領発案の北方領土カジノ構想でプーチン大統領を口説けるか(前編)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2019年6月28日付の記事を紹介する。
大阪で開催のG20サミットでは、米中貿易対立がどのような展開を見せるかに世界の注目が集まっている。初めて議長を務める日本の安倍首相は「互いの違いではなく、一致点を見出し、協調の可能性を探る場としたい」と意気込むが、互いに引くに引けない国内事情を抱えるトランプ大統領と習近平主席にとっては、簡単に妥協するわけにはいかないだろう。
本来、G20首脳会議は2国間の課題を議論する場ではない。国際的な問題を解決する道筋を模索することが求められている。そのため、今回もグローバルな貿易、金融、環境に関するテーマが37の国と国際機関のトップによって話し合われる。しかし、国際的な課題となると、「総論賛成、各論反対」となるのが国際会議の常といえる。そのため、全体会合と並行して行われる個別の2国間協議にどうしても関心が高まる。
とはいえ、米中首脳会議以外にも、日本にとっても他の参加国にとっても重要な協議の機会が数多くあるはずだ。ロシアのプーチン大統領は安倍首相との間で既に25回もの首脳会談を重ねてきた。今回も、懸案の領土問題を解決し、平和条約を結べるかどうか、極めて難しい局面が両首脳を待ち構えている。
そんな中、日ロ間の「喉に刺さったトゲ」と揶揄される北方領土問題を解決する上で、アメリカの存在は無視できない。なぜなら、ロシアが2島の先行返還に応じない最大の理由が「返還後にアメリカが軍事基地を建設する恐れ」にあるからだ。安倍首相とすれば、トランプ大統領から「日本は外から攻撃された時、アメリカに助けてもらえるが、アメリカが攻撃されても日本はアメリカを助けない。これは不平等だ」とクレームを突き付けられても、反撃すらできないでいる。
これではプーチン大統領からすれば、「やっぱり日本はアメリカの言うなりだ」と思われてしまう。ここは、発想を変え、トランプ大統領を巻き込んでの対ロシア政策を検討すべきではなかろうか。幸い、トランプ大統領とプーチン大統領はウマが合っているようだ。その背景には知られざる2人の思惑が隠されている。
そのキーワードこそが「北方領土カジノ構想」である。大統領に当選する以前、トランプ氏はさまざまなロシア関連のビジネスプランを温めていた。モスクワでのトランプタワーホテル構想もそうだが、それ以上にトランプ氏の関心を呼んでいたのが「国後島のリゾート開発」であった。自分の持つ経験、資金、ノウハウを投入し、ホテル、カジノ、商業施設、アミューズメントパークが一体となった統合型リゾート施設(IR)やハブ空港を建設する、とのアイデアを日本の投資家にアピールしていた。
※続きは6月28日のメルマガ版「トランプ大統領発案の北方領土カジノ構想でプーチン大統領を口説けるか(前編)」で。
著者:浜田和幸
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