2024年12月29日( 日 )

NPB主力選手が戦線離脱、故障の原因を探る(前)

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野球 イメージ 2021年NPB(日本野球機構)公式戦は、セ・パ両リーグとも連日熱き戦いが繰り広げられている。今シーズンは7月14日に前半戦が終了し、オールスターゲーム2試合の後、東京五輪開催にともなう中断期間(7月19日~8月12日)がある。その間、エキシビジョンマッチが開催される。

 昨年来のコロナ禍によりNPB公式戦は、従来と異なるレギュレーションによって実施。選手および現場スタッフ、球団フロントの苦労は相当なものであると想像できる。あるNPB関係者は「開催できるだけでありがたいです。我々はできる範囲で、ファンの方々に喜んでもらえる野球を披露することに集中します」と話す。

 今シーズンは選手のけがやコンディションの不調が頻繁に発生。とくに各球団の主力選手の戦線離脱が目立つ。その原因について、あるNPB選手の個人トレーナーは次のように分析している。

NPB選手の個人トレーナーによる分析

 プロ野球選手のけがやコンディションの不調が多発しています。とくに、肩・肘の故障による登録抹消が昨シーズンよりも増加。発生の原因については、次のような点が挙げられます。

(1)使用するボールや道具の変更

(2)練習やトレーニングの問題

 けがが多発しているのは、おそらく各球団の練習やトレーニング、リカバリーの方法に問題があるからだと考えられます。

(3)投手の登板過多

 投手については、登板数・試合数とけがの関係性は明らかです。加えて、登板準備=練習量の関係性もあります。

(4)新しい技術の導入

 新しい投げ方や打ち方、新しいトレーニング方法などが導入された場合に、けがのリスクが高まります。今シーズンは、トレーニング方法についてそうした話は聞かれないので、技術のほうに問題があるのかもしれません。

(5)精神的ストレス

 コロナ禍による環境の変化、球団から出されるさまざまな制限、夜間の外出や外食ができないなど、シーズン中の生活の変化も影響しているかもしれません。それによってストレスが溜まることで、けがを引き起こしている可能性があります。

 これらに加え、チームスタッフ、監督・コーチ、トレーニングコーチ、トレーナーの責任も大きいのではないかと思います。

 また、昨シーズンからの状況を考えると、コロナ禍の影響により、練習やトレーニングの環境が変わったことも大きな原因です。練習やトレーニングの内容変更、時間制限といった環境の変化が、けが発生に影響を与えていると考えられます。昨年は開幕が遅れ、試合数が減少し、オフシーズンが変更になったという例年にないシーズンだったことが、コンディションの調整を困難にさせ、今シーズンのけが多発に影響を与えたのは明らかです。

(つづく)

【河原 清明】

(後)

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