2024年07月16日( 火 )

不動産を再生し、付加価値を付与 着実な積み重ねで目指すはIPO(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

(株)SOSOGooホールディングス
代表取締役CEO 帆足 太一 氏

 福岡市中央区に本社を置く(株)SOSOGooホールディングス。2011年7月、不動産仲介事業を手がけるフォーサイトプランニング(株)の設立を起点とし、SOSOGooグループの歴史が始まった。18年5月には持株会社制への移行のため同社が設立され、グループ全体の成長を見せている。これまでの軌跡や現在の姿、今後の展望について同社代表取締役CEO・帆足太一氏にうかがった。

(聞き手:(株)データ・マックス 専務取締役 緒方 克美)

お客さまへの真摯な姿勢を貫く

(株)SOSOGooホールディングス 代表取締役CEO 帆足 太一 氏
(株)SOSOGooホールディングス
代表取締役CEO 帆足 太一 氏

    ──貴社を設立した経緯をお聞かせください。

 帆足太一氏(以下、帆足) 会社を設立する前は不動産関係の仕事に就き、営業として日々邁進していました。その努力は結果として表れ、入社から1~2年ほどでトップセールスとなりました。しかし、当時渡されたのは成果に見合わない金額の報酬。同じころ、歩合制だった給料も固定給に変わり、自分の努力とそこから生まれた成果が評価されていないのではないかと違和感を覚えました。また、お客さまに対する姿勢についても会社との間にギャップが生まれていました。自分の理念を貫ける場所で働くため、24歳のときに退職、起業を決意しました。

 最初に会社を設立したのは2011年7月。これが不動産仲介事業を目的としたフォーサイトプランニング(株)(現・(株)ソソグー不動産)です。12年1月から不動産投資のコンサルティング業を追加するとともに、本格的に営業を開始しました。

 ──起業後に感じた困難はありますか。

 帆足 前の職場と同じ市場に参入することになりますので、前職の社長から介入を受けるなど、営業するにあたり大変な時期を過ごしていた時期もありました。

 また、設立当初はネームバリューがなく、苦労しました。現在のお客さまのなかには前職のときから支持してくださっている方がいますが、そのすべての方がすぐについてきてくださったというわけではありません。徐々にではありましたが、このようにたくさんのお客さまがついてきてくださったことは大変すばらしく、光栄なことだと思います。設立から約10年、会社が成長を続けるなかで、私が直接現場でお客さまとお話しする機会は少なくなってしまいました。ですから、「不満があればできる限り言ってください。改善します」と伝え、お客さまの需要の1つひとつに対応していきたいと考えています。

洗練されたオフィス
洗練されたオフィス

 ──最初に設立されたフォーサイトプランニング(現・ソソグー不動産)以降も関連会社を次々設立されています。

 帆足 事業が軌道に乗り始め、業容拡大を図っていたこともありますが、以前は私が第一線で営業活動を行っており、多種多様な経歴やスキルをもつ方々と出会う機会に恵まれていたことが大きかったです。その方々に声をかけたり、逆に事業に参画したいと申し出てくれたりと、有望な人材を会社に引き入れることができました。家賃保証の会社から始まり、不動産営業部門を独立させた会社、賃貸管理・施工業務に特化した会社など、15年以降「フォーサイト」グループとして企業活動を行ってきました。このときは持株会社制がまだ主流の時期。当社もそのイメージで会社づくりを行っていましたので、親会社があり、その下に子会社をつくるというかたちで機能していました。

 現在も持株会社のかたちは維持していますが、当社の柱となっている事業に細かい機能を集約させ、その一方で小さな事業は畳む、もしくはそれ同士を合わせる。1つの会社で行うのは1つの事業だけ、という形態から脱しているところです。IPOのために組織再編を行っている最中ですが、グループ会社の数が減るだけでもコストがかなり抑えられます。

 ──貴社の基幹事業は何でしょうか。

 帆足 ソソグー不動産で手がける不動産の売買と賃貸管理事業が、当社グループのコア事業になります。外部と提携しながら福岡県内をメインに活動しており、自社で買い取ったり、仲介させていただいたりした物件を管理しています。売買が成約した自社物件やお客さまの物件を管理させていただくかたちです。また、自社物件を買いたいとする方がいる場合には、その方に売るということも行っています。

付加価値を高め他社にない魅力を

 ──貴社の成長の要因となる強みは何でしょうか。

 帆足 2つの強みが挙げられます。1つ目は資金調達能力です。「短期であれば融資を受けられる」という会社は多数ありますが、当社の場合は中長期にわたって不動産を保有するための融資を受けることを得意としています。不動産売買や賃貸管理のほか、以前から不動産の再生を手がけてきました。短期の融資では再生から販売までをカバーするのは難しく、お客さまが融資を受けづらいという側面があります。中長期であれば、物件の付加価値を上げ、時間をかけてお届けすることができます。このモデルを他社が真似しようとしても難しいのではないでしょうか。

 エリアとしては郊外が多く、最近では福間駅近くの新築物件を手がけました。こちらはすでに完成、満室となっています。

(つづく)

【文・構成:杉町 彩紗】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:帆足 太一
所在地:福岡市中央区渡辺通5-24-30
設 立:2018年5月
資本金:777万円(グループ合計:6,331万円)
売上高:(22/6連結)約20億円
URL:https://sosogoo.jp/


<プロフィール>
帆足 太一
(ほあし・たいち)
1986年生まれ、大分県玖珠郡出身。理学療法の専門学校を中退。複数の企業で勤務後、フォーサイトプランニング(株)(現・(株)ソソグー不動産)を設立。「投資の普及」をテーマに投資用中古アパート・ビルの再生・販売を手がける。2018年5月には(株)SOSOGooホールディングスを設立、持株会社制へ移行した。

(後)

関連記事