台湾の国際民間航空機関(ICAO)への参加に支持を
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中華民国(台湾) 交通部長
王 国材 氏「国際民間航空機関」(ICAO、国連の専門機関)が新型コロナウイルス感染症の拡大以降初となる総会を10月7日まで開催している。台湾周辺海空域は内外の多くの旅客機が通過しているものの、台湾はICAOに加盟しておらず、8月に中国が台湾周辺海空域で軍事演習を実施した際には、独自に各国の航空機を誘導するなどの対策を迫られた。台北駐福岡経済文化弁事処より、王国材交通部長(国土交通大臣に相当)による台湾航空当局のICAOへの参加の意義を説く記事を寄稿していただいたので、掲載する。
「国際民間航空機関」(ICAO)第41回総会がカナダ・モントリオールで9月27日から開催されており、10月7日まで開催予定だ。今回は新型コロナウイルスのパンデミック後初の総会であり、民間航空復興のシンボリックな意義がある。世界の空をシームレスにつなぐために、我々はICAOが台湾の参加を認めるよう呼びかける。
ICAO総会は、民間航空を管轄する機関が集まり、今後の民間航空の発展に関係している。とくに、新型コロナにより世界の民間航空産業は重大なダメージを受けており、旅客の健康、安全、旅の利便性はますます重要となる。それは、いかなる民間航空管轄機関も部外者ではいられない。
「台北飛行情報区」(台北FIR)は、ICAOの国際飛行情報区ネットワークに不可欠な一部である。台湾の交通部民用航空局(民航局)は、台北FIRのすべての航空機および乗客の飛行安全と効率を確保している。
しかし、今年8月に中国は台湾周辺海空域における軍事演習を一方的に実施し、台北FIRを緊急危険エリアと設定したなど、台湾のみならず国際的な飛行安全をも危険にさらした。台湾民航局は極めて短時間で計画を立て、各国の航空機に緊急危険エリアを避けるように誘導した。この事件は多くの航空会社に飛行時間と燃油コストを増大させたのみならず、予測不可能な飛行安全リスクも大幅増加することとなった。このようなリスクコントロールと安全管理の角度からも、ICAOは台湾民航局の参加を認め、台北FIRとICAOの相互情報提供と意思疎通をすべきである。
近年、ドローンがますます広範囲に使われるようになったため、ICAOは関連する規定やガイダンスを改訂または追加しているが、台湾民航局はそれを取得できない。それでも、台湾は管理メカニズムを構築し、ドローンに関する法律を増訂した。同時に「ドローン管理情報システム」を設置し、空港ドローン探知予防システムの設置も進めている。台湾はこのような経験を分かち合うことを望んでおり、各国との専門的交流を通して、共に飛行安全を向上させていきたい。
台湾は国際社会の一員として、地域と世界の航空安全を保障する責任がある。台湾がICAOに参加できれば、我々は各国とともに世界の民間航空の発展と人類の福祉のために力を発揮できる。
台湾民航局は長年にわたり台北FIRにおいて最高の飛行安全基準の維持に努め、ICAOの基準を遵守してきた。ICAOはポスト・コロナにおける民間航空の復興に向けて「Reconnecting the World」(再びつながる世界)をテーマに今年の総会を開催する。今こそ台湾のICAO参加を認める最適のタイミングだ。台湾はICAOへの意義ある参加を通して、国際民間航空輸送に貢献することを望んでおり、ICAOが掲げる「シームレスな飛行安全のビジョン」と「世界を再びつなげる目標」を達成していきたい。
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