九州木材工業が新不燃木材発売 最高レベルの品質が特徴
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九州木材工業(株)(福岡県筑後市、角博代表)は17日、福岡県工業技術センターインテリア研究所らと共同で、「国内最高品質」とする不燃木材「不燃木(フネギ)」を開発したと発表した。当初は内装材として販売し、耐候性などの性能を向上させたうえで、外装材などとしての販売も予定している。将来的な目標として、不燃木材の市場を年間売上100~150億円規模まで開拓することを計画している。
持続可能社会の実現に向け、中・大規模の木造建築物のほか、鉄筋コンクリート造などでも内外装材に木材を使用する機運が高まっており、それを実現するうえで不燃木材が注目されている。
不燃木材は、難燃剤を木材に注入し不燃化するものだが、従来製品は難燃剤が湿度変化により木材の表面にしみ出し、白華(乾燥し結晶化)することで意匠性を損ない、その処理に対応するための施工作業の増加、クレームの発生など品質面の課題を抱えていた。「不燃木」はこれらの課題を解消したことで「国内最高品質」を実現した。
九州木材工業と工業技術センターが新難燃剤や注入技術などを開発。また、従来の手法では難燃剤が木材内部に十分に注入できているか検査できないという課題があったため、八光オートメーション(株)(福岡県粕屋町、小野和雄代表)が、マイクロ波検査装置を開発し、非破壊による品質管理を可能にした。
「不燃木」5月に建材試験センターで不燃燃焼試験を実施し合格。8月31日に難燃処理木材として九州では初の国土交通大臣認定を取得している。9月から製造を開始しており、来年5月開庁予定の八女市役所新庁舎の軒天部分に採用されることが決まっている。
今後は、準不燃材料の大臣認定取得、より高い耐久・耐候性能の実現により外装用製品の開発・販売を目指すほか、ヒノキについても不燃木材製品を開発、さらに東南アジアを中心にした海外への輸出も計画している。
角代表は「不燃木は福岡県内の技術で開発された製品。不燃木の供給を広げることで、県産木材活用の促進、森林保全にも貢献したい」旨を語っていた。
【田中 直輝】
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