【耳より】「幸せ」を呼ぶ!? ドクターイエロー引退に思うこと
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東海道・山陽新幹線は、日本の交通の大動脈の1つである。その線路や架線などの状態を測定して、日々の安全な運行を支えているものの1つが「ドクターイエロー」だ。正式名称を「新幹線電気軌道総合試験車」といい、10日に1回ほどのペースで東京駅ー博多駅の間を走っているそうだ。
そのダイヤは非公開。目にする機会が極端に少ないことから、「見ると幸せになる」と言われ、鉄道ファンのみならず多くの人たちから人気の的となってきた。
そのドクターイエローについて、JR東海とJR西日本が13日、老朽化を理由に2027年をメドに引退させることを発表した(JR東海所有車両は25年まで)。惜しむ声が広がっている。13日には博多駅で報道陣向けに車両が公開され、居合わせた新幹線利用客の注目を集めていたという。
2011年に、筆者は1度だけ東京駅構内で目にしたことがある。新大阪駅に向かうのぞみ号を待っていたところ、隣のホームに突然、入線してきた。「鉄ちゃん」(鉄道マニア)ではないが、やたらとうれしかった思い出がある。
では、「幸せ」になったのか。じつはその後、幸せを感じる出来事がいくつかあったように思うのだが、残念ながらよく覚えていない。ただ、「ドクターイエローを見た」と話すことで、しばらく居酒屋などでの会話のキッカケづくりになったように思う。
ドクターイエローの引退まであと3年ほど。また出会えるだろうか。引退までに1度でもその姿を目にすることができるようなら、なかなかの「幸せ者」と言えるのではないだろうか。
【田中直輝】
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