2024年11月27日( 水 )

九州地銀の第1四半期(17/3)を検証(6)

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4.九州地銀の資産内容について
 別表は17年3月期 第1四半期における九州地銀(18行)の総資産順位表である。これをグループ別にすると、以下のようになる。

(1)ふくおかFG 5行(福岡・熊本・親和・十八・福岡中央)
・総資産(純資産) 21兆1,436億円(9,736億円)
(2)西日本シティG 3行(西日本シティ・長崎・豊和)
・総資産(純資産) 10兆583億円(5,297億円)
(3)九州FG   2行(肥後・鹿児島)
・総資産(純資産) 9兆3,847億円(6,106億円)
(4)山口FG傘下 1行(北九州)
・総資産(純資産) 1兆853億円(923億円)
(5)単独行   7行(大分・宮崎・佐賀・南日本・筑邦・宮崎太陽・佐賀共栄)
・総資産(純資産) 10兆8,052億円(5,856億円)

<この表から見えるもの>
・総資産について
九州地銀18行の16/6月期の総資産は52兆4,771億円。そのうちふくおかFG(5行)が21兆1,436億円でシェアは40.2%。以下西日本FH(3行)の19.1%。九州FG(2行)の17.8%となっており、ふくおかFGが絶対的な優位を占めているのが分かる。
・純資産について
 九州地銀18行の純資産は2兆7,918億円。そのうちふくおかFGの純資産は9,736億円でシェアは34.9%。以下九州FGは6,106億円の21.9%。西日本シティGは5,296億円の20.0%。九州FGが西日本シティ銀行を上回っており、財務内容の良さが目につく。
・自己資本比率について
 ふくおかFGの自己資本比率は4.4%。九州FGは6.3%。西日本シティ銀行は5.0%となっている。上場している九州地銀・FG(12)の中で、株価が一番高いのはそのためだ。参考までに昨日(30日)の株価(終値)は、九州FG569円。ふくおかFG422円。 西日本シティ銀行213円。

<まとめ>
 西日本FHと九州FGが今後もふくおかFGと対抗し、3グループ体制を維持していくためには、単独7行の総資産10兆8,052億円(20.6%)をいかに取り込むかにかかっているといえよう。反面単独行も、どこと組むのが良いかを見定めることが求められているのだ。
 単独行の中で特にターゲットにされるのは、大分銀行(総資産3兆2,469億円)、宮崎銀行(総資産2兆7,734億円)、佐賀銀行(総資産2兆3,086億円)だろう。この3行がどこと経営統合するかによって、残る4行(南日本・筑邦・宮崎太陽・佐賀共栄)の組み合わせも決まることになる。いずれにせよ、九州地銀の金融再編はすぐそこまで来ているが、その勢力図が今後どのように変化していく
かは「神のみぞ知る」で、誰も予想できないのではないだろうか。

(了)
【北山 譲】

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