マンション開発にとどまらない、グランディアの新たな挑戦（後）

（株）グランディア

9割が利用する自由度の高い設計変更

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グランディアソラーレ春日公園

　完成前の完売を果たした『グランディアソラーレ春日公園』（28戸、16年８月完成予定）を含め、同社はこれまでに14棟、662戸を販売（16年３月末時点、アクロス荒江グランドステージ含む）。交通アクセスや周辺の教育施設、商業施設といった立地の基本要素を重視しながらも、給湯器や太陽光発電機器など「エコロジー」を基本路線とした設備機器の設置や女性目線を取り入れた水まわりの導線、間取りを企画。また、購入者の要望を最大限に活かすべく、間仕切りの変更だけでなくキッチンに合わせたカップボードや照明計画、建具や壁紙の変更など、設計変更の柔軟性にも定評がある。

　図面やモノがないといった設計変更の課題に対しては、CG（コンピューターグラフィック）を制作したうえでの提案を行っている。「収納棚の変更などを含めれば、約9割の方が設計変更を実現している」（同社）といい、福岡市博多区の商業施設『コマーシャルモール』に置かれる常設モデルルームも賑わいを見せている。

アパート事業にも着手し経営基盤の安定化図る

　16年内には『（仮称）グランディア姪浜』（45戸）、『（仮称）グランディア大橋』（55戸）の販売開始を計画。福岡市西区姪浜エリア、同南区大橋エリアともにファミリーマンション需要の高いエリアだけに、注目を集めそうだ。

　伊勢田直社長は今後の経営方針について、次のように話す。「マンション事業だけでは経営基盤が安定しにくい。マンションや戸建のほか、今期（17年３月期）からはアパートの供給も強化していきます。お客さまをはじめ、従業員や共同事業先、銀行などプロジェクトに関わるすべての方々がwin-winの関係であることを目指すというのは、創業当初から弊社の企業理念です。そのためにも、経営基盤の安定化は欠かせないと考えています」。

　同社では、マンション開発を主力事業としながらも、注文住宅（戸建）やタウンハウスなど住宅に関わる事業を幅広く手がけてきた。15年からは、これまでマンション開発で培ってきた立地や賃料などの入居者ニーズ、土地情報収集力などを活かしたアパート事業を開始した。すでに福岡市東区で1棟の引き渡しを済ませたほか、16年3月末時点で5棟の計画が進められている。

　マンションデベロッパーとしては後発ながら、先進的な取り組みが評価されてきたグランディア。本格的に着手し始めたアパート事業をはじめ、同社が取り組むこれからの不動産事業にも期待したい。

（了）

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：伊勢田　直
所在地：福岡市中央区大名2-10-29
設　立：2002年9月
資本金：1,000万円
ＴＥＬ：092-738-2520
ＵＲＬ：http://grandia.co.jp/

＜プロフィール＞
伊勢田　直
1970年4月10日生まれ、福岡県出身。東福岡高校卒業、就学中はラグビー部で活躍。2002年9月に（株）グランディアを設立。「社員が夢を持てる会社にしたい」と夢を語る。趣味はゴルフ。