心の通った経営指南を通して日本の新たな産業振興を実践する（前）

富士経営グループ

現場第一のコンサルティング

　福岡の企業再生のパイオニアである富士経営グループ。同社は今年で設立40年を迎える。今日までに約700社以上の企業再生を手がけ、成果を出している。地元・福岡で中小企業の再生・発展など、総合的な視野での支援を実施し、机上の空論は一切なしの『現場第一』の実践的な指南を行う。

　同社の崎田松男代表の理念は『地球上の人々の安全・安心・安定の思想』で、その理念をもとに事業を展開する。そのエッセンスは、1989年から27年間開催されている「富士経営塾─TOP MANAGEMENT TRAINING（TMT）」の経営者養成講座により伝授され、2016年４月修了者の第44期生までに443名の修了者を輩出している。同年５月に第45期が新たにスタートした。修了者は、経営トップをはじめとして企業の２代目や３代目、経営幹部が主である。入塾時に部課長であった方々が、修了後に経営を任され、社の中核となって活躍している例も多数存在する。

　同社の企業再生のコンサルティング、そしてTMTなど、同社の提供する事業は、「一歩先の現場のコンサルティング」を心がけている。「現在、我が国には約260万社の中小企業が存在いたします。そのうち、77％の約200万社が赤字企業で、そのなかの10％が粉飾決算の企業です。この数値は、経営者の才覚だけでなく、我が国の仕組みにも問題があります。我が国の経済を支えているのは中小企業であることは誰しもが理解していることです。真面目に汗水流している中小企業が、正しく報われる社会になることこそ、今すぐに取り組まねばならない課題です」と崎田代表は力説する。

　一方で、経営者の資質についても、「弊社の経営塾でも示していますが、経営者は『心と哲理』がとても大切です。財務や経営戦略立案などテクニカルな分野は、後でも良いのです。まずは、心です。経営者の心とは、判断力・決断力、そして創造性です。存分にリーダーシップを発揮し、グローバルで勝ち抜くには、これらが必要なのです。経営者がそれらを兼ね備えるには、無限の愛情と感謝の心が豊かであることです。企業が発展し、生き残れるかは社長の器で99％決まります。そのためには、まずは心が備わっていなければなりません」と崎田代表は語る。

　その経営者がこれからの時代に生き残り進化していくために必要なものを「イノベーション」と位置づけ、その必要な分野を次の通り挙げている。
　（１）「新しい体質づくり─現場の潜在ニーズからの創造と実行仕組の分野」、（２）「新しいサービスと製品開発の分野」、（３）「新しい生産技術とその方法の分野」、（４）「新しい販路と開拓の分野」、（５）「新しい原料の調達と活用の分野」、（６）「１～５を全部考慮した分野」。
　「自社の事業を見直せば、必ず光るものがあります。そして『今までにない』『人がやらないこと』という視点で発想することです。それがイノベーション思考を通しての企業経営としての準備です。その発想の先には、必ず『お役に立つ』という考えでの思考が生まれてきます」（崎田代表）。

　「今までにない、人がやらないこと」を考えて実現することが、中小企業の経営者が取り組むべきことなのだ。イノベーション思考になり、事業構築を進めていくことが、中小企業が生き残るための最大の条件であることを、崎田代表は断言する。たとえば、建設業においても「新たな工法を生み出す、自然災害への対策」など、着手すべき課題はまだまだあるという。要するに、新しい「ネタ」を顧客に提供し、役立てることだ。

（つづく）

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：崎田　松男
所在地：福岡市中央区天神2-14-8
設　立：1976年10月
資本金：1億3,500万円
ＴＥＬ：092-781-7300
ＵＲＬ：http://www.fujikeiei.net

＜プロフィール＞
崎田　松男
福岡を中心とした中小企業の再生・発展など総合的にサポートする。「福岡における企業再生コンサルティングのパイオニア」と高く評されている。