スカラが仕掛けた、ソフトブレーンへの敵対的買収の行方(前)
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久々の敵対的買収である。サイト内検索首位のスカラによる、営業支援システムのソフトブレーンの買収劇だ。ソフトブレーンの創業者はテレビのコメンテーターとして著名な宗文洲(そう・ぶんしゅう)氏。ソフトブレーンは乗っ取られるのか。
3月下旬に開催が予定されている、ソフトブレーンの株主総会で決着がつく。スカラ、ソフトブレーンに役員選任の株主提案
(株)スカラ(旧商号・(株)フュージョンパートナー))は新年早々の1月5日、ソフトブレーン(株)に株主提案をしたと発表した。3月24日に開催予定のソフトブレーンの定時株主総会で、役員選任議案と配当についての株主提案を通知したという。
取締役候補には、スカラの田村健三会長(68)、梛野憲克(なぎの・のりかつ)社長(42)ら取締役6人と監査役2人。8人全員がスカラの幹部だ。同時に、1株当たり10円の配当を求めた。ソフトブレーンは2016年12月期について、無配を継続する予定だった。
スカラは提案理由に「企業価値の向上の前提として、充実したコーポレート・ガバナンス体制を構築する」ことなどを挙げた。
ただ、現在の取締役の解任議案は提案していないので、豊田浩文社長(49)以下、任期2年の5人の取締役は、4月以降も取締役にとどまる。スカラは6人の取締役を送り込み、取締役会で過半数を握ることを狙った。ソフトブレーンは取締役会で、スカラからの株主提案に反対を決議。翌6日、スカラの開示内容に対して、「曲解に基づく一方的な批判。誤解を招きかねない内容等を多く含むもので極めて遺憾」とするコメントを発表した。
ソフトブレーン株45.57%を買い占めて子会社化
買収劇の開幕は半年前にさかのぼる。フュージョンパートナー(現スカラ)は16年7月4日、ソフトブレーンの発行済み株式の40%を取得し、持ち分法適用会社にすると発表した。同日、フュージョン社が提出した大量保有報告書によれば、同社はソフトブレーン株を5月16日から段階的に取得していた。
フュージョン社の発表を受けて、ソフトブレーンの株価は急騰。買い増しを期待して買いが集まった。7月7日には年初来高値の858円をつけた。2月12日の年初来安値125円の実に6.8倍だ。投資家にとってM&A(合併・買収)は利益をもたらす絶好のチャンスなのだ。7月14日、フュージョン社はソフトブレーンを連結子会社にすると発表した。買い増して45.57%(議決権ベース)を取得し、国際会計基準での連結子会社にする。45.57%の株式取得総額は43億円で、平均取得単価は321.4円だ。
筆頭株主になったフュージョン社は、8月からソフトブレーンとの業務提携に関する協議を始めた。突然、株付けされたことで不信感を抱いたようで、ソフトブレーンは12月26日、提携協議を打ち切った。これを受けてスカラ(16年12月にフュージョンパートナーより商号変更)は株式提案をして、株主総会での勝負に出た。
(つづく)
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