2018年1月市長選は混戦模様 傀儡政治からの脱却なるか?(前)
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来年1月に投開票される久留米市長選挙では、現時点で、新人数名の立候補が予想されている。現職・楢原氏の不出馬もあり、次の久留米市長選は混戦必至だ。一方、今年10月に行われる衆議院解散総選挙へ向けて、久留米市を含む福岡6区における1年前の衆院補選で仲違いしていた鳩山二郎衆院議員と自民党福岡県連が手打ちするなど、福岡県政界の状況は刻一刻と変化を見せている。
噂される本村氏の陰謀
来年1月投開票予定の久留米市長選で、三選に意欲を見せていた楢原利則市長が突如任期満了で引退することを発表した。事の発端は西日本新聞8月18日朝刊に掲載された「楢原市長勇退」という記事。6月議会でも進退を表明せず、9月議会で表明することが予想されていたが、楢原氏は、親しい友人らにも三選まで市長をやると語っていたため、この報道は、そうした関係者らに大きな衝撃を与えた。また、記事には元参議院議員の大久保勉氏を、楢原市長が後継者として推薦するくだりがあり、大久保氏が所属していた民進党をはじめ、同党の市議会議員ら関係者が対応に追われた。事の真相は――。
8月某日、楢原市長と鳩山二郎議員、本村康人久留米商工会議所会頭、橋本安彦同商工会議所副会頭、大久保勉元参議院議員の5人が会食の場を持った。このうちの誰かが新聞記者に情報をリークしたとみられる。記事が出た当時からリークした人物として名前が上がっていたのは本村氏。ここ最近、本村氏との関係が悪化したことから、三選に意欲を見せていた楢原氏を強引な手法で引退に追い込んだという見方が有力だ。これにより最終的に9月初めの議会で楢原市長は引退を表明せざるを得なくなったというのだ。
傀儡の楢原市政
「おい、ちょっと!」と市長をアゴで使う本村氏の態度は周囲からも問題視されていた。商工会議所の会頭が市長を操っているという関係が露骨になっており、会頭を“陰の支配者”と呼ぶ人も出てきた。市長を傀儡にすることで思い通りに動かす。商工会議所内においても青年会議所時代の子分を副会頭にさせ、次の会頭にはその副会頭から選出し、院政を敷くことがねらいにある。市長選においても大久保氏を担ぐことで、もし、当選すれば自らの傀儡にしようとするに違いない。自らの影響力を誇示し、「俺は久留米のフィクサーだ!」と、ご本人は意気揚々としているかもしれないが、「ちょっとやりすぎ」「私物化しすぎじゃないか」と、周辺から批判的な声が漏れ聞こえする。
久留米市政、商工会議所、市議会の大きな問題は“馴れ合い”だ。それぞれに緊張感を持ち、久留米の発展のために力を尽くすことが本来のあるべき姿なのだが、いつの間にか市民目線よりも利権のほうに目を向けてしまっている。次の市長選には14年1月の前回の市長選に出馬した元久留米大学教授の宮原信孝氏(59)、経営コンサルタントの中西博紀氏(58)、本村氏らに担がれた元参議院議員の大久保勉氏(56)が立候補を表明。そのほかにも立候補を検討している人物が数名。また、10月の衆議院総選挙へ向けて、仲違いしていた鳩山二郎衆議院議員と自民党福岡県連が和解。同党独自の候補者擁立の動きにも注目が集まる。
(つづく)
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