九州地銀の株価から見える経営統合の行方
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日経平均株価は10月に入り11連騰。今日17日は前日比+80円56銭の2万1,336円12銭と、始値・高値・安値・終値とも今年の最高値を更新した。
日経平均株価の流れにより九州地銀12行(含むFG・FH)の株価も上昇してきているものの、手放しでは喜べない状況があるのだ。【表1】を見ていただきたい。九州地銀の株価推移表である。この表から見えるもの
◆九州地銀の株価は全銘柄とも年初来の最安値を上回っているが、まだ最高値には至っていないのが分かる。その要因として挙げられるのは十八銀行とふくおかFGとの経営統合の行方が影響していると思われるからだ。
◆ふくおかFGの年初来最安値は4月6日の453円。4月に予定されていた十八銀行との経営統合が延期となったことを受けてのもの。最高値は7月6日の558円。その差は105円。十八銀行との経営統合がまとまるのではないかとの期待感からだったが、双方が7月25日に無期延期を発表。実質的には破談となった。
その相手だった十八銀行の株価を見てみよう。年初来の最安値は9月8日の255円。最高値は3月21日の388円でその差は133円。いずれもふくおかFGとの経営統合の行く末を読んでの動きだったといえよう。◆17年3月末の株価との比較について
今日17日の株価が3月末を上回っているのはふくおかFG(+22円)、西日本FH(+58円)、大分(+10円)、宮崎(+22円)、北九州銀行を傘下に持つ山口FG(+46円)、宮崎太陽銀行(+14円)の6行。
一方下回っているのは九州FG(▲80円)、十八銀行(▲79円)、佐賀(▲37円)、福岡中央(▲19円)、南日本銀行(▲25円)、豊和(▲4円)の6行となっている。◆17年9月末の株価との比較について
9月末の株価を超えているのはふくおかFG、西日本FH、十八、佐賀、山口FG、宮崎太陽の6行。一方マイナスなのは九州FG、大分、宮崎、福岡中央、南日本、豊和の6行となっている。九州地銀の経営統合の行方について
九州地銀の株価の動きから見えるのは、宮崎銀行・佐賀・十八銀行に対して九州FGとの経営統合。大分銀行に対してはふくおかFGとの経営統合。宮崎太陽銀行・南日本銀行・豊和銀行に対しては西日本FHとの経営統合を求めているように見えるのだ。人口の減少に伴う地域経済の縮小はすでに待ったなしの状況となっており、九州地銀の経営統合はもう目の前に来ているといえよう。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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