規制効果抜群か~逆風に晒されるパチンコメーカー
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パチンコ業界は逆風にさらされている。今年2月1日に施行された「風俗営業等の規制および業務の適正化等に関する法律施行規則および遊技機の認定および型式の検定などに関する規則の一部を改正する規則案」(以下、改正風営法)が一因だ。
メーカー界の巨星、大幅赤字に転落
パチンコ・スロットの企画・開発・販売などを手がける(株)ユニバーサルエンターテインメント(本社:東京都江東区、富士本淳代表、JASDAQ上場)は、2017年12月期の決算(連結)で、売上高685億4,600万円、経常損失128億2,900万円、当期純損失134億2,600万円を計上した。決算月の変更にともない、当期決算は9カ月間の変則的な決算となってはいるものの、前期比で大幅な減収減益となった。
減収減益の理由として、同社は次の4点をあげる。(1)強化された遊技機の改正規則の影響にともなう目標販売台数の未達。(2)統合カジノリゾート「Okada Manila」の売上が、高い固定費を吸収できる水準までにはたっしなかった。(3)Wynn Rsortsに対して10億ドル超の損害賠償責任を求めた裁判など、多額の訴訟費用を計上した。(4)経常利益以下を黒字化すべく推進していた、マニラでの一部土地売却が今期(2018年12月期)にずれ込んだ。
規制強化に対応した新基準機は一回の大当たりで得られる出玉・メダル=勝ち額に上限が加えられている。パチンコホール側としては、旧基準機の稼働が許可されている間は遊技愛好者からの支持も厚い旧基準機を使いたいというのが本音だろう。実際、パチンコホールでは旧基準機の増台や再導入といった動きが散見される。
新基準機を製造・販売しなければならないメーカー側と、末端の遊技愛好者の動向から可能な限り旧基準機に力を入れたいホール側とのミスマッチが、メーカー側の業績不振といったかたちで現れているようだ。鬼哭啾啾のメーカー
改正風営法の影響を業績不振の一因とするパチンコ・スロットメーカーは同社だけではない。
パチンコ・スロットメーカーのフィールズ(株)(本社:東京都渋谷区、繁松徹也代表、東証一部上場)は、18年3月期(連結)の業績予想を下方修正した。新たに発表された内容は、売上高625億円、経常損失60億円、当期純損失66億円で、当初の黒字予想から一転、大幅な赤字転落になることが決定的となった。
また、パチスロ機を取り扱うアミューズメント機器事業を展開するゲームメーカー(株)カプコン(本社:大阪市中央区、辻本春弘代表、東証一部)は、18年3月期第3四半期決算(連結)において、同事業単体での業績を発表。売上高77億1,100万円、営業利益21億2,800万円を計上し、それぞれ前年同期比で大幅な減収減益としている。2社ともに減収減益の主な理由として、改正風営法の影響をあげる。一部遊技業界関係者や遊技ファンからは、「今回の改正風営法の施行により業界は終わる」という声も聞こえてくる。“業界が終わる”は早計だが、当期のユニバーサルエンターテインメントのように、685億円の売上の503億円がパチンコ事業によるものという生粋のパチンコ・スロットメーカーは、さらなる苦境に立たされる可能性がある。
【代 源太朗】
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