2024年11月20日( 水 )

消費量から見る酒類の栄枯盛衰

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 6月よりサントリーウイスキー「白州12年」と「響17年」が出荷休止となった。近年はニッカウヰスキーも「余市」の一部などの販売が終了するなど需要増にともなうウイスキーの品薄が深刻になっている。

 今年市場に出る「白州12年」は逆算すると2006年に原酒が仕込まれたことになる。この年のウイスキー消費量は8万kl(国税庁調べ)に過ぎない。1989年度の23万kl超から3分の1近くにまで落ちこんでいるのだ。
 この年は本格焼酎ブームが絶頂を迎えており、89年度の20万klから52万klにまで消費量を伸ばしていた。ところが、本格焼酎は翌年をピークにその後、減少に転じ16年度は45万klまで減少した。
 変わってウイスキーが巻き返した。若者を中心にしたハイボール人気に加え、14年秋から15年春に放映されたNHK連続テレビ小説「マッサン」人気も相まって需要が急増し、16年度の消費量は14万5,000klにまで伸びている。
 ほかに急速に消費量が伸びているのが、リキュール(第3のビールなど)だ。06年度の74万klから205万klにまで消費量を伸ばしている。ビールは20年以上、消費量を減らし続けており、06年度の330万klから16年度は263万klに落ちている。清酒に至っては40年以上にわたり減少を続け1975年度の167万klから16年度は53万klにまで減らしている。ところが、純米酒や純米吟醸酒など特定名称酒に関しては11年度の16万8,000klから16年度は18万5,000klへと増やしており、一部は復権をはたしていることがわかる。

 ウイスキー各社は生産体制を強化しているが、10年ものが市場に出るのは2028年。この時にどの酒類が市場を席捲しているのか。
 酒類全体の消費は減少に歯止めがかからず96年度の965万klをピークに16年度は841万klにまで減少している。若者の酒類離れが叫ばれるなか、10年後はアルコール風味のノンアルコールドリンクが主役になっていてもおかしくはない。

【鹿島 譲二】

 

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