ホテル並みの接客でエグゼクティブ層の健康生活を応援（前）

オークラヘルスクラブ

　老若男女を問わず、日本人にとって「健康」は人生の大きな目標になった。「ダイエット」や「体形維持」「アンチエイジング」が日常的な話題となり、国民の関心事になったことは、フィットネス産業の市場規模が4,400億円を超えたことからも明らかだ。全国で5,000施設を超えたフィットネスクラブも、多様化するユーザー層に合わせて細分化している。高級フィットネスクラブは、エグゼクティブクラスの健康維持のためにどのような取り組みを行っているのだろうか。

ホテルレベルのサービス実現

　ホテルオークラ福岡（福岡市博多区下川端町）の「オークラヘルスクラブ」。20m×3コースの温水プール、ジャグジー、サウナ（ドライ・ミスト）、ジム、マッサージルーム、リラクゼーションルームなど、設備も充実。昭和通りに面したプールからは、博多湾を一望するハーバービューが楽しめる。ジムにはエアロバイク、トレッドミルなどの有酸素運動マシンや筋力トレーニング用マシン、ストレッチボールや軽量のダンベルが設置されている。
　利用できるのはオークラヘルスクラブ会員のほかは宿泊客のみ。オークラヘルスクラブ会員は、常駐するトレーナーから健康づくりのサポートを受けることができる。まさに、エグゼクティブ向けのプライベートジムという趣だ。トレーナーの大浦陽次郎氏にお話をうかがった。

　――エグゼクティブ層向けのジムとして差別化するために、オークラヘルスクラブさんはどのようなところに気をつけていらっしゃるでしょうか。

　大浦　まず、オークラヘルスクラブはフィットネスクラブとしてだけでなく、「ホテルオークラとしてのサービス」を提供しているという大前提があります。ですから私たちもトレーナーである以前にホテルマン、ホテリエであるということを念頭に入れて行動しております。ですから、会員さまへのおもてなしや気づき、気遣いを重視しながら、日々接客をさせていただいています。

　――では、こちらのクラブでスタッフとして働くためにはまずホテルマンとしての所作から勉強しないといけないわけですね。

　大浦　そうです。フロントに立つスタッフ同様の研修を受けて初めて、こちらのクラブでトレーナーとして働くことになります。

パーソナルストレッチでその日の体調を知る

　――クラブを利用する会員向けのサービスには、どのようなものがあるでしょうか。

　大浦　ご希望の会員さまには、体力や運動の目的に合わせてオリジナルのトレーニングメニューをおつくりいたします。最近の体調などについてもお聞かせいただくことになります。また半年に1度、こちらもご希望の方には体力測定をしますから、この結果に基づいてメニューも更新していきます。

　――会員の方を対象にした、カウンセリングなどは行われるのでしょうか。

　大浦　まず初回のジムご利用時に、トレーナーと看護師で問診させていただきます。さらに、会員さまのほとんどはパーソナルストレッチをご利用いただきますから、その際にいろいろとお話することで、カウンセリング的なコミュニケーションもいたします。実際にお身体に触れることになりますから、私どもも会員さまの状態がよくわかります。一般的なジムでは、トレーナーはパーソナルトレーニングを行う場合でも、トレーニング中の姿勢のチェックやウエイトトレーニングの補助などが主になると思いますが、私どもはより深く会員さまの身体にかかわることができると思います。

（つづく）