週刊誌報道で株価急落 シノケン「厳重に抗議」
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18日、午前11時過ぎから東証ジャスダック・シノケングループの株価は大きく値を下げ、一時はストップ安となったが、終値は前日比17.3%減の932円だった。
株価下落の原因は週刊新潮に掲載された「かぼちゃの馬車みたいなシノケン二重契約書類」という記事とみられる。記事には、シノケングループ子会社でアパート販売を手がけるシノケンハーモニー元社員が語った内容が記されている。これによれば、当初のアパート売買契約書から大きく値引きした価格で「合意書」を交わし、差額を登記などの諸費用に充てている――というもの。週刊新潮は二重契約書が存在するとしている。
二重契約書が問題になるとすれば、記事中にもあるように、融資した銀行に対する詐欺、という可能性が考えられる。アパートの担保価値を不当に高く見せ、融資を引き出し、それを銀行に伝えていなかったとすれば、銀行を欺いたと言われても仕方あるまい。シノケングループは「物件価格の相当額を目安に融資申請を行うが、銀行から減額されることもある。その時に、自己資金の増額や値引き提案をすることはあるが、二重契約ではない」と主張しているが、銀行にその事実を伝えていたかに関しては、「必要に応じて」と歯切れが悪い。
ただし、TATERU問題の際に報じた通り、預金残高の改ざんだけではなく、このような販売スキームは「どの業者もやっている(いた)」と業界内の至るところで聞かれるほど一般的と言ってもいいもの。銀行に伝えていたか否かにかかわらず、銀行とは阿吽の呼吸だったはずだ。歯切れが悪い理由はこのあたりにあるとみられるが、銀行から詐欺などで訴えられることは考えにくいだろう。
顧客の預金残高改ざんで問題となっているTATERU事件が発覚した際、シノケングループはNetIB-Newsの取材に対し「同様の事案はない」と否定。9月4日にも、「当社ビジネスモデルについて」というリリースにおいて、「不正行為を行っているものではない」と改めて否定していた。8月に発表された2018年12月期の中間決算では、売上高585億円(18.5%増)、経常利益62億円(3.1%増)を計上。通期決算では売上高1,200億円(13.3%増)、経常利益132億円(8.2%増)を予想している。
【永上 隼人】
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