消費税増税を推進する悪徳財務省の正体
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は消費税を廃止して、「能力に応じた課税」の税体系を構築すべきとした4月20日付の記事を紹介する。
野党がもたついている一方で安倍内閣が選挙対応を進展させている。安倍首相は財務省に借りがある。森友問題で財務省が事実をありのままに明らかにしていれば安倍内閣は総辞職に追い込まれていた。この状況下で財務省は事実を徹底的に隠蔽した。虚偽公文書作成という重大な刑法犯罪にまで手を染めた。
安倍内閣は刑事司法を不当支配しており、財務省の重大犯罪を闇に葬った。財務省と重大犯罪同盟を結成したと言える。
財務省が安倍内閣の重大犯罪を隠蔽したのは、政権内部において経産省の後塵を拝する現状を打破しようとした面もあるが、同時に、安倍首相に貸しを作り、消費税増税を断行するためでもあった。
財務省は財務省の利益極大化のために行動している。この点だけは終始一貫している。財務省にとっての利益極大化行動とは、1.消費税増税を実現すること
2.天下り先を維持拡大すること
3.プログラム財政を切り、裁量財政を拡大すること
である。
国民の福祉の向上などは微塵も考えていない。これは、私が大蔵省内部で確認した事実である。
税制において財務省が消費税増税にまい進するのは、財務省が大資本、富裕層と利害を共有するからである。大資本は財務省の重要な天下り先であり、富裕層は財務省の利益を擁護する保守政治勢力の支援者だからである。
財務省権力の源泉は予算編成における「裁量権」にある。予算の個所付け、業者選定、予算費目の選定が財務省権力=利権の源泉である。このために、財務省は財政支出項目のうち、プログラム支出を嫌い、裁量支出を好む傾向を極めて強く有している。
プログラム支出とは社会保障支出のことだ。社会保障支出は制度が決定されると支出が自動的に決定される。裁量を働かせる余地のない支出である。この支出を受ける側は、支出を受けることを「権利」と考える。予算配分を決定する側が「感謝」や「恩義」を感じる支出ではない。
財務省はこうした社会保障支出を受ける国民が、基本的に財務省の利益を擁護する保守政治勢力に投票しない傾向を知っている。だから、なおさら財務省は社会保障支出=プログラム支出を嫌うのである。
その財務省にとって消費税増税は悲願の施策である。しかし、消費税増税に正当性はない。財務省は消費税増税の理由として「財政再建」「社会保障支出拡充」を挙げるが、完全なウソである。
1989年度の消費税導入からの約30年間の事実経過を見れば一目瞭然だ。消費税増税の税収は、そのすべてが法人税減税と所得税減税に注がれてきた。自民党の萩生田光一幹事長代行が消費税増税再々延期の可能性に言及したことについて財界幹部が批判した。
財界幹部は財務省の工作活動の先兵と化している。必要のない法人税減税というエサを付与されて消費税増税推進の発言をしているのだ。日本政府は1000兆円超の債務を抱えるが1000兆円超の資産を保有しており、資産超過の状態にある。財政危機は財務省が流布するフィクションに過ぎない。
消費税増税に踏み切れば日本経済が崩落することは明白で、安倍首相は増税延期の判断を固めた模様である。
※続きは4月20日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「野党は消費税増税延期策に正面から立ち向かえ」で。
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